2012年6月24日日曜日

動機付けの違う3タイプ

人それぞれ“やる気”が出るシチュエーションは異なります。現在慶応大学SFC研究所 上席所員の高橋俊介氏は著書や講演の中で、以下のような3タイプに分けて述べられています。

(1)上昇志向・達成動機 
上昇や高い目標へのチャレンジ志向、影響欲、支配欲、賞賛欲、闘争心、(注意→専制君主)

(2)対人関係に関する動機
人に感謝されたい、人に親切にしたい、人と仲良くしたい、(注意→ただのお人好し)

(3)プロセス系動機
アイデアや抽象的なことを考えるのが好き、淡々と継続するのが好き、(注意→自己満足のオタク)

経営者やリーダー的立場の人には(1)のタイプが多く見られます。
組織で決定権を持つ人が大半ですから、当然この価値観に合った制度等が導入されやすくなります。明確な数値目標による成果主義人事制度などはこの典型ですが、実は組織に属する大多数は、非上昇志向人材と言える(2)、(3)のようなタイプの人たちです。成果主義人事制度がなかなかうまく機能しない理由もわかっていただけると思います。

また(1)のタイプの人は上昇志向の弱い人を軽蔑する傾向もあります。(2)、(3)のような非上昇志向人材をホンネでは認めていないわけですから、その気持ちを理解することも出来づらいでしょう。

(2)、(3)のような非上昇志向人材が無能なのかと言えばまったく違います。むしろこのような人たちがいるからこそ、組織は円滑に回っています。組織全体の“やる気”を高めるには人それぞれの価値観を認め、その人に合った目標設定や動機付けをすることが必要です。まず組織のリーダーたる人が多様な価値観を認めることが一番重要ではないでしょうか。

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