2014年4月21日月曜日

面接は「準備が大事」か「成り行き重視」か


いろいろな会社で採用面接をお手伝いすることがありますが、最近感じるのは、すごく時間をかけて面接の準備をしてきたと思われる人が増えたことです。

かつてはどう見ても何か準備をしたような形跡がなく、まったくのぶっつけ本番と思われるような人に出会うことがありましたが、最近はめっきり減ったように思います。

基本的には就職活動が難しくなっていることに原因があるのだと思いますが、これを面接官の立場から見ると、特に新卒の学生さんなどに顕著なのは、「こういう質問にはこう答える」「こういうことをアピールする」ということをいろいろ考えすぎていて、逆にマニュアル的な回答に終始してしまっているように感じます。
そのせいであまり有益な会話が成り立たず、お互いの理解が深まらないと感じることが多くなりました。これは面接に向けての「準備のし過ぎ」と言えるのではないかと思います。

一方で、ほとんど準備をしてこないような人は、少なくなったとはいっても今でもいます。実は私自身も、どちらかといえばあまり事前準備をしないタイプです。人事の仕事をするようになり、頻繁に面接に立ち会うようになってからも、しばらくの間は「面接準備なんてあまり意味がない」と思っていましたし、よけいな準備をするせいで、その人の良さが表現できないと思っていました。

ただ、自分が実際に面接される機会があり、そこでいろいろな人のアドバイスを聞く中で、かなり考え方が変わりました。やはり成り行きまかせの会話だけでは自分の考えが整理できておらず、とっさに思いつく反応しかできないために、相手の質問に的確に答え切れないということです。
これが面接官に対しては、言葉足らずの横柄な態度、大事なことなのに準備をしない不真面目な態度に見えてしまう場合があるということです。

確かに自分が面接官の立場であったならば、会話がかみ合って良いコミュニケーションが取れたと感じれば、事前準備をしていようがいまいが気になりませんが、そうでないと急に準備不足の態度が気になり始めます。定番の質問の答えも準備していないとか、言っている内容がうわべだけだとか、そんな指摘が出始め、不真面目な印象にもつながってしまいます。

そんな中での私としての結論は、準備は必要だが想定問答のシミュレーションまでするような、やりすぎは良くないということです。準備がなさすぎると真面目さや誠意のなさとして相手に伝わってしまい、かといって形を決めすぎると、実際の会話をする上での妨げになってしまうということです。

やりすぎもやらなさすぎも良くないということですが、最近は少々準備をし過ぎる傾向があるように思います。これは昔に比べて就職指導や支援をしている機関や業者が増え、周りが世話を焼き過ぎるせいもあるのではないでしょうか。

やはり何事も、ほどほどがうまくいくような感じがします。


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