2013年3月27日水曜日

組織変更の難しさ-もっとうまく進められる?(3):人材流出の話


一般の組織変更ではあまりないのかもしれませんが、私が経験した二度の合併では、多くの人材が会社を去っていきました。

一回目と二回目で多少の違いはありますが、“合併が発表されたとき”、“合併直後の半年から1年”、“合併から2、3年たってから” にそれぞれ人材流出のピークと思われる時期がありました。
時間とともに収束していっているといえば、まあそうなのですが、結構な時間が経過しても会社の風土が変わったことを辞める理由に挙げる人たちがいました。

辞める決断をするということは、残って仕事をするよりも違う環境に身を投じた方が良いと考えたという事ですから、会社としてはより良い将来像を提示できなかったという事になります。組織が変わることが、社員にとってこれから先に良いことがあるとは感じさせられなかったということでしょう。

社員数の減少が著しいと、その企業合併は失敗だという見方をすることがあるようです。その点に関して、私のいた会社では、辞めるのは仕方がないからとそこにはあまり手をかけず、その分採用を増やして帳尻を合わせることを考えていたようですが、採用基準を大きく変えでもしない限り、そう急激に採用数を増やすことも難しく、あまり思ったようには運びませんでした。

合併発表時に辞めるような人は、その前から時期を探っていた人ですから、遅かれ早かれ辞めてしまったのかもしれないと思いますが、ある程度時間が経ってからのそれは、もっと会社の方向性を見せる努力をし、いろいろな人たちの声を聞き、できるだけ多くの社員にとってのメリットを語っていくことができれば、ずいぶん抑制できたのではないかと思っています。

組織のムード作りなので、具体的な取り組みとしては、細かな配慮、企画、コミュニケーションの積み重ねということでしょう。

「組織を変える」ということを成功させるには、人の心理に働きかける地味で細かな取り組みが重要です。
中でも人材流出という事象は、どんな事情があるにせよ、組織にとって絶対に放置してはいけないテーマではないかと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿