2015年1月9日金曜日

一見「聴き上手」ではあるけれど・・・


人の話を良く聴くということは、できるようでなかなかできない、意外に難しいことだと思います。周りから「聴き上手」と評価されるような方は、やはり素晴らしいと思います。

とある私の知り合いの中にも、一見するとこの「聴き上手」にあたる方がいます。人付き合いは良く、宴会などにも良く参加し、人の話はいつも良く聴いています。

ただ、私もときどきお話をすることがあるものの、その時の印象としては、どうも「聴き上手」の方と話しているのとは、何か違う感じがしてしまいます。話していても何となく盛り上がらずに物足りない、失礼ですが、要は話していてもあまり面白くないのです。

その理由が何かを確かめたかったので、ある時ついついその方を観察してしまったのですが、気になった事が一つだけありました。ほとんど自分から話し始めることがないのです。直接質問されたり、話を振られたりすれば、それなりにお話をされるのですが、そうでなければ自分から話題を提供することはほとんどありません。

振られれば話すということは、決して話題が無い訳ではないのだと思いますが、自分から主体的に意見を述べたり、自分から相手に質問したりということはほとんどありません。でも他人が話していることは、確かに良く聴いています。

思うに、これは「聴き上手」というよりも、「受け身だけに偏ったコミュニケーション」ということのように思います。
「相手の話をしっかり聴くことが大切」というのは大前提ではありますが、この方は仕事上の立場や役割としても、それなりに自分からも発信していかなければならない方です。良い人柄で話を良く聴いてくれたとしても、“計画しないプランナー”“提案しないプレゼンター”では、やはり困ります。

話すことがあまり得意でない人はたくさんいると思います。それはその人の個性ですから、責めるつもりはありません。
ただ、この方のように、自分から発信しなければならない立場であり、その能力もあると思われるのにそれをしないということは、やはり問題だと思います。

発信と受信の両方があって、初めてコミュニケーションは成り立ちます。発信と受信をどんなバランスで発揮するかはその人の個性ですが、どちらかを放棄してしまっては、良いコミュニケーションは成立しません。

一見「聴き上手」という人が、本質的にも「聴き上手」なのかどうかは、今一度確かめる必要があるように思います。



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