2015年3月11日水曜日

一人で全部はなかなかそろわない「リーダーに必要な3つの目」


すでに耳にしたことがある方はたくさんいると思いますが、リーダーには、その物事の見方として、3つの目が必要であると言われます。「鳥の目」「虫の目」「魚の目」です。

「鳥の目」は、大所高所からマクロ的、大局的に物事全体を把握する俯瞰の目、
「虫の目」は、物事に近づいて様々な角度から細部を見つめる複眼の目、
「魚の目」は潮の流れのような周りの変化、時代の流れようなものを敏感に感じ取る目、
といわれます。

経営者をはじめとした組織のリーダーは、この3つの目をバランスよく持っていることが欠かせないと言われます。
ただ、そんなリーダーが、どの会社でも十分に育っているかといえば、残念ながらそういう状況ではありません。多くの場合、「虫の目」は持っているが、他の二つに不足があるというような、要は自分の身の回りの関すること以外の視点は、非常に欠けがちということがあります。さらには、自分の身近な細部を見る「虫の目」すら怪しいという人もいます。

 主に「鳥の目」と「魚の目」が欠けやすい要因は、もちろん本人の能力的な問題もあるでしょうが、他にもいろいろなことが考えられます。
 例えば、周りからそういう視点を要求されない、その視点を持てるだけの情報が準備されていない、短期成果の優先度が高くてそれどころではない、などということです。
 
「鳥の目」は周辺事情まで含めた大局的なこと、「魚の目」は市場動向やこれからのトレンドなどといった中長期的な将来に向けた視点ですが、これらがなぜ欠けるかと言えば、結局は直近の自分に直接関係がないので、その視点を持つ必要性が希薄だということです。

 ですから「リーダーは3つの目をバランスよく持つ意識が必要だ」となる訳ですが、こんな周りの環境の影響もあることを考えると、ただ本人に意識しろと言うだけでは、事態はあまり改善しないように思います。

私が思うのは、リーダー自身が「3つの目」を身につける努力は当然することとして、やはりその人によって得意な見方というものがあるということです。
ある人は「鳥の目」は鋭いが、大ざっぱで「虫の目」が苦手、またある人は、トレンドに敏感で「魚の目」は優れているが、その全体の中での位置づけを見る「鳥の目」が欠けているなど、人ぞれぞれの得意不得意があるはずです。

組織の目的は、属している者がお互い協力し合ってシナジーを産むことですから、何でも一人でやる必要はありません。「鳥の目」「虫の目」「魚の目」という3つの目も、それぞれが得意な視点を発揮して、それぞれをつなぎ合わせれば良いことです。

優秀なリーダーは、確かにこの「3つの目」をすべて兼ね備えています。それぞれに得手不得手はあったとしても、すべてが一定以上の高いレベルにあります。
ただ、世の中にいるリーダーの大多数がそうなることは、なかなか難しいと思います。

リーダー自身が意識して努力することは前提として、その一方で、一人で「3つの目」のすべてを兼ね備えるのは難しいということも、同じく前提に置いて考える必要があるのではないかと思います。


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