2015年3月9日月曜日

飲みニケーションでも大事な「仕掛けること」と「成り行き任せ」のバランス


最近は、会社帰りに軽く一杯など、俗にいう「飲みニケーション」の機会が減っていると聞きます。
いろいろな調査結果を見ても、「プライベートの時間を犠牲にしたくない」「仕事の延長で楽しくない」など、あまり積極的に参加したいと思わない人の比率が増えているようです。

つい先日お話したある女性も、「最近、会社の人と飲みに行く事なんてないですよ!」と言っていました。
その人は、決して飲み会が嫌いな訳でも、人付き合いが苦手な訳でもありませんが、どうもお互いの人付き合いを敬遠するような雰囲気が社内にあり、会社に対する自分自身の不満もあって、気づくとそんな感じになってしまっていたのだそうです。

何も飲み会ばかりである必要はありませんが、コミュニケーションが希薄になる方向に会社の雰囲気が傾いてしまうのは、、あまり良いことでないのは間違いありません。
ただ、「飲みニケーション」の好き嫌いが言えるのも、いつも決まって顔を合わせる同僚や仲間がいて、あえて意識せずに「成り行き任せ」でいても機会を作れるからということはあります。

もしも会社で毎日顔を合わせる以外の人と交流しようとすれば、ただ「成り行き任せ」という訳にはいきません。自分が会いたい人には自分で会う約束をしなければ、誰とも会うことができません。受け身の比率を減らして自分から行動する、自分から「仕掛けること」を意識しなければ、何かが動く機会はとても少なくなります。

私自身も、会社員時代には何となく誰かが誘ってくれたり、「成り行き任せ」でよかったことが多々ありましたが、今はなかなかそうはいきません。そんな環境にいるためか、「自分から行動する」ということの方が当たり前の感覚になっています。

ただ、何でも自分から仕掛けて行動することが良いのかといえば、こちらも必ずしもそうではないと思います。
「自分から行動する」「自分から仕掛ける」ということは、見方を変えれば「自分の都合を相手に押し付ける」という面があります。“ゴリ押しの営業や押し売り”“Win-Winにならない商談”“気乗りしないことへの誘いや無理強い”などはこれに当たると思います。

例えば、成績の良い営業職の人などは、何でも仕掛けるばかりでなく、実は結構相手の様子を見たり、待つということをしています。相手目線で相手の心理を考え、押す時は押し、引く時は引くということで、「仕掛けること」と「成り行き任せ」のバランスを取っているということですが、これは「飲みニケーション」でも同じではないかと思います。

部下たちが飲み会の誘いを断ると嘆く上司の話を聞きますが、もしも突然の強引な誘いや説教モードの会話、お酒の無理強いなどがあったとすれば、それは最近の若手社員が最も嫌がることです。お金と時間の無駄だと感じて誘いに応じなくなってしまうのは当然でしょう。
逆に「どうせ来ないから」と誘うことを止めてしまっている上司がいますが、これも余計に物事が動かなくなってしまう原因です。
「飲みニケーション」の衰退には、「仕掛けること」と「成り行き任せ」のバランスが崩れているという部分が大いに影響していると思います。

ビジネスの上では「自分から行動する」「自分から仕掛ける」ということが常に良いことであるようなイメージがありますが、ここにはやはりバランスが必要です。
先ほどの調査結果でも、会社での飲み会を「上司や先輩と親しくなれる」「いろいろな経験談が聞ける」「他部署の人とも気軽に話ができる」など、肯定的に捉える意見も多々あります。

「飲みニケーション」であっても、誘うというような「仕掛けること」と、誘われるように仕向ける、誘われるのを待つというような「成り行き任せ」の部分のバランスが必要だろうと思います。


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