2023年3月13日月曜日

「令和5年」の会社と「昭和98年」の会社の働き方

今年は令和5年ですが、もし元号が昭和のままだったとしたら、昭和98年にあたるそうです。そんなことにあやかったのか、女性活躍や働き方に関して、今と昭和を比較した様々な記事を目にします。

一つは、女性の働き方がほぼ昭和の感覚のままで塩漬けされた会社が、まだまだたくさんあるということです。専業主婦の家庭環境が当たり前に染みついた経営者や役員、幹部社員が、その感覚のままで女性社員たちに接するため、女性活躍の機会が失われているとのことです。

表向きには女性活躍の事例や子育てとの両立、働きやすさなどをうたっていても、実態は違っていることがずいぶんあるといい、先進的な女性活躍の取り組みをしているとして紹介されるような有名企業でも、同様のことがあるそうです。育児休業を取れば昇進候補から外されて元に戻ることはなく、管理職になったとしても昭和のような長時間労働を求められ、家事や育児を他の家族に任せてそれに対応できる男性社員とは差をつけられるといいます。

 

もう一つは、以前からの働き方を、頑固なまでに変えない会社の話です。

コロナ禍によって、在宅勤務をはじめとしたテレワークの導入など、働く場所や時間の多様化は進みましたが、そこには乗ろうとしない会社が数多くあります。

業態としてどうしようもない場合もありますが、その気になれば改革できる業種や職種の場合でも、9時始業の定時勤務のみで全員出社が必須としているところや、その他の企業風土や働き方としても、業務の本人希望が通ることはなく、会社都合の転勤は当たり前、有休は取るな、副業なんてもってのほか、IT化が進んでおらず紙とハンコの文化、あいまいな指示とよくわからない責任の所在、上意下達の命令文化、男尊女卑の雰囲気など、まさに昭和のままという感じがする会社があります。

伝え聞いた話ですが、先進性を売りにしている大企業でも、毎朝朝礼で社訓を全員で唱和するようなところがあるそうで、良し悪しはともかく「感覚の古さ」を感じたことがありました。

 

この「令和5年」の会社と「昭和98年」の会社のどちらが伸びるか、生き残るかと考えれば、間違いなく前者の「令和5年」に違いありません。

なぜ「昭和98年」のような古い形にこだわるのかを考えたとき、私は個人的なノスタルジーの感覚でしかないと思っています。そこには取り立てて合理的な理由はなく、「昔はこうだった」「それが自分にとって当たり前」というだけのことでしょう。

 

もちろん、古いものがすべて悪い訳ではなく、若い世代でもそのことを認めていることが多くあります。例えば「やっぱり手書き文字の方が温かみがある」とか、「直接声が聞けた方が落ち着く」といった感覚です。こういう気持ちは、世代を超えて同じものがあります。

ただし、そこから「手紙」と「電話」に戻るかといえば、そうではありません。手書き文字を画像化してネットでやり取りしたり、相手の都合に合わせて聞けるボイスメッセージなどを使ったり、具体的な方法は進化しています。

 

「昭和98年」と言われてしまうような会社は、古くても守るべき普遍的なものと、変化や進化、改革して新しくしなければならないこととの切り分けができていないと思われます。それはそのまま会社の衰退を意味します。

あらためて今、「令和5年」のあるべき会社の姿、働き方を考える必要があります。

 

 

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