2013年9月25日水曜日

大組織ゆえのエアポケット


私たちがお手伝いする企業で、その人数規模には結構な幅があります。少ないと社員数10名前後から、多いとだいたい1500名前後くらいまでの規模範囲が多くなっています。
一般的に見れば、規模の大きい企業の方が内部に専門人材がいて、社内の仕組みもしっかり作られていますが、もちろん企業によって、その程度にはかなりの差があります。

少し前にお話をうかがったことがある、世間ではそれなりの大手企業でも、「あれ・・・、その仕組みって無いんですか?」とか「えっ・・・、その程度の取り組みしかしていないんですか?」と思うことがいくつかありました。

これは決しておかしいことではなく、規模の大小にかかわらずどんな会社にも“エアポケット”があるということです。その時その時で社内の課題テーマとして気づき、それに取り組んでくることができたかどうかというだけで、人数が多い会社の方がそれに気づける人も取り組める人も多いですし、歴史が長い会社の方が、気づいて取り組めるだけの時間の積み重ねがありますから、組織内の“エアポケット”ができにくいだけの話です。

ただそうは言っても、あまりにも自社内のことしか知らないとか、取り組むべきテーマを理解している専門人材が社内にあまりにもいないとか、そんな状況は間違いなくあります。
これは私の印象ですが、大組織になればなるほど、一度できてしまった“エアポケット”が埋まりにくいように感じます。周りではそんなことは当然できていると思い込んでいる、当事者も今が当たり前だと思っていて問題意識がない、そんな状況は大組織の方が起こりやすいのではないかと思います。

例えば、「漢字の読み方を間違って覚えていて、自分の子供の教科書を見て、初めて間違いに気がついた」なんていうことと同じ感じです。初歩的過ぎて周りから指摘を受けることもない、自分でも疑う余地なく思い込んでいる、というような状況でしょう。

こんなことを防ぐには、幅広くいろんな人や情報に接することを、その組織に属する人の多くが、意識的に取り組んでいくことしかありません。内向きの意識だけではいつの間にか時代遅れになっていたり、大事なことが手つかずになっていたり、課題が“エアポケット”のように置き去りになっていたりします。

実はこのあたり、自社の技術や事業といった部分に関しては、こういう意識を強く持って取り組んでいることがほとんどのはずです。しかし内部の組織作りに関してとなると、あまり意識を持っておらず意外に置き去りになっていたりするものです。行動としてはすでに身に付いていることですから、ちょっと視野を広げるだけ、ちょっと意識を持つだけでできるようになるはずです。

「自分たちの現状を疑い、周りの状況をよく見ること」は、どんな場面でも大事なことだと思います。


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