2014年11月21日金曜日

素直すぎるマネージャーと頑固すぎるマネージャー


世の中には素直な人も頑固な人も、いろいろいます。
もしも相手が自分の部下や後輩だったとしたら、やっぱり頑固な人よりは素直な人の方が良いと思うのではないでしょうか。

ただ、これがマネージャークラスとなってくると、必ずしもそうではないように思います。
私もいろいろな会社でいろいろな方々とお会いしますが、その中には若いメンバークラスの方も経験豊富なベテランの方もいらっしゃいます。

ここでは感じるのは、やはり年令が上の人の方が、頑固な傾向が強いということです。あまりにも聴く耳を持っていないと、それはそれで困りますが、人生経験を積むほどに自分のこだわりが強まり、自分なりの考え方が固まり、頑固さが増していくのは自分自身に照らしてみてもわかる気がするところです。

マネージャークラスの人には、程度の差はあれ、こんな傾向の人が多いのではないかと思いますが、人生経験に基づく良い意味での頑固さなら、それは悪いことではないと思います。もちろん頑固すぎるマネージャーは、組織の中では問題なので、個人の意識も含めて気をつけなけれなならないところだと思います。

これとは反対に、素直なマネージャーというのは、実際にはあまり見かけません。マネージャーを担う人たちの年令的にも経験的にも当然なのだと思いますが、やはりそれでも時々出会うことがあります。

この素直なマネージャーというのは、一見よさそうに見えますが、実は困ることが多々あります。一言で言ってしまうと、上司に対しても部下に対しても優柔不断で、自分では決めようとしない傾向があるということです。

例えば上司として何か指示をすると、「わかりました!」といい感じで受けていきますが、そこから先がなかなかすんなりとは行きません。

よくあるのは、「部下からこんな意見が出た」「こんな反発があった」などと言って、「どうしましょうか・・・」などと相談をされます。それに対して提案したり指示したりすると、その時は明るい顔をして受けていきますが、しばらくするとまた違う話を持ち帰ってきます。

まさに上司と部下の板挟みになる中間管理職なので、かわいそうな立場とも言えますが、ここで一番問題なのは、その場その場で相手の言うことを素直に受け入れるだけで、自分の意志を持って物事をまとめるということを、一つもしていないということです。

新人クラスの一般社員であれば、上司は自分より上の立場の一方向にしかいませんから、そこに対して素直に対処することで、特に問題が起こることはありません。
しかしこれがマネージャーとなれば、自分の上下両方向に関係者がいます。この間に立つということは、当然のように調整能力が必要となる訳ですが、「素直すぎるマネージャー」は、それぞれの話を素直に聞いてそれぞれの話に共感してしまうため、この調整ができません。

人間性として、素直というのは良いことだと思いますが、組織のマネージャーという役割を考えると、何でも受け入れてしまうような素直すぎは考えものです。

素直すぎも頑固すぎも、偏りが大きいのはどちらも良いことではありませんが、マネージャーという役割から考えると、素直すぎるマネージャーというのは、なかなか厄介な存在のように思います。

「素直になるな!」とはなかなか言いづらいですが、マネージャーである限り、最低限の頑固さは必要のように思います。


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