2015年2月13日金曜日

はっきりとしたライバルがいることのメリット


これは業界によっていろいろだと思いますが、自社のライバルをはっきりと見定めている会社とそうでない会社があります。

私が属していたIT業界では、あるレベルまで達した中堅企業や大手企業の場合は、それなりに同等レベルのライバルを見据えているところもありますが、企業数では中小零細の業者が圧倒的に多いということもあり、あまりライバル企業とか競合企業ということを考えていない傾向があるように思います。

そのせいもあってか、私自身の意識としても、誰がライバルとかどこと競合というようなことをあまり考えないというところがあります。
また最近の傾向として、これはスポーツ選手などでもそうですが、誰がライバルと位置付けるような他人との比較はせず、あくまで自分自身で定めた目標に対する取り組みをすることで、自分を高めていこうという人が増えているように思います。

私の個人的な考え方としても、他人の事情に左右されたり、他人との関係で勝った負けたと一喜一憂するより、自分次第の目標に対する取り組みを積み重ねていく方が望ましいと考えていましたし、できるだけそうするように努めてきたつもりです。

ただ、私のクライアントの中のある会社で、はっきりとしたライバル会社がいて、常にその会社を上回ることを目標にしているところがあります。

こちらの会社の様子を見ていると、まず自社の目標やサービスを考える際に、必ずライバル会社の動向をチェックします。勝負できるところと難しいところを切り分け、それに見合った戦略を練ります。

また、実際の営業活動でバッティングすることも多いので、価格設定やサービス内容などもライバル会社の動向を見ながら対策を考えます。ライバル会社と直接接触することはありませんが、当然さまざまな駆け引きもあります。かといって相手との比較で一喜一憂していることはほとんどありません。

こういう環境で仕事をしている人はたくさんいるでしょうが、ライバルを意識していない人たちと、ライバルがはっきりしている人たちとを比べて思うのは、ライバルがいた方が自分たちの目標がはっきりしやすく、答えをあいまいにせずに常に何らかの実行が求められ、なおかつそれが習慣づいているということです。

これは人それぞれのタイプがあると思いますが、自分だけで立てた目標というのは、その取り組みも含めて概して甘くなりがちで、それなりの意志の強さがないと、なかなか達成できないことも多いように思います。
一方、明確なライバルがいて競わなければならない相手がはっきりしていると、それぞれの社員がやらざるを得ない環境に置かれ、目標への取り組みが実行されやすいという面があるように思います。個々の意志の強さに関わらず、実行力が上がるように感じます。

目標に対する自律的な取り組みができればそれが最善ですが、人間はどこかでついついサボってしまうものです。
組織運営において、もしも実行力に不足を感じるような場合には、あえてライバルを明確化するというやり方もあるのではないかと思います。


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