2015年2月6日金曜日

似て非なるものと思う「マネジメント」と「管理」


マネジメントやリーダーシップというのは、どんな企業でも課題になるテーマです。自社の状況を称して、「うちの部課長たちには管理能力がない」「部下の管理ができない」などという話を良く聞きます。

このような表現に代表されるように、組織における「マネジメント」イコール「管理」というようなニュアンスで語られることが多いですが、実際には「マネジメント」と「管理」は似て非なるものです。

辞典で「管理」を調べると、
1.ある規準などから外れないよう、全体を統制すること。
2.事が円滑に運ぶよう、事務を処理し、設備などを保存維持していくこと。
3.法律上、財産や施設などの現状を維持し、また、その目的にそった範囲内で利用・改良などを図ること。
とあります。

「決まった枠組みに合致させ、それを維持継続させる」という意味合いが強いと思いますが、会社における事業推進のための活動には、これだけでは足りません。

「マネジメント」という言葉も、辞典で調べる中では、確かに“管理”や〝経営“そのものという形で出てきますから、単語の和訳としてはそういうことなのでしょうが、別のところでもう少し調べていくと、以下のような定義がありました。

・主にビジネス上における様々な資源や資産・リスクなどを管理し、経営上の効果を最適化しようとする手法。
・“管理”という意味合いの他にも、”評価・分析・選択・改善・回避・統合・計画・調整・指揮・統制・組織化”など様々な要素を含んでおり、これらを総合した概念。

現場の実態から見れば、こちらの方がよりフィットしている感じがします。

なぜこんな切り分けをしてみたかというと、「マネジメント」のことを「管理」と表現している会社では、実際の取り組みにおいても、辞典に書いてあるような意味合いに近い「管理」の動きが多いということです。
“部下が計画通りに動いているか”、“指示通りにことが運んでいるか”、“ルールを守っているか”などを確認するといった意味での「管理」で、これは言い換えると、“監視”や“見張り”となってしまいます。

もちろん、実際の現場では必要なことですが、本来の「マネジメント」は、これだけではありません。決められたルールが不都合ならば見直さなければならないし、それがさらに上からの指示ならば、それなりの調整をしなければなりません。過去データの分析も、計画や人員配置の見直しも、プロセスの改善も、物事の優先順位の見極めも、その他仕事の成否に関わることは、すべてやらなければなりません。これは「管理」というよりは「やりくり」に近いと思います。

「マネジメント」は「管理」ではなく、「経営資源として与えられたリソースの中でのやりくり」と考えると、行動そのものが変わってくるのではないかと思います。


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