2015年2月18日水曜日

信じていてはバカを見る?そんな兆しが見え始めた今年の就活ガイドライン


来春2016年入社の新卒者の就職活動のスケジュールが、これまでと大きく変わっていることについては、すでにご存じの方が多いと思います。
経団連が示すガイドラインでは、会社説明会の解禁を3月、面接などの選考開始は8月として、昨年より説明会は3カ月、選考は4カ月遅らせることになっています。

就活の早期化・長期化による学業への悪影響などが理由ですが、これが決まった当初から、経団連の未加盟企業が早めに採用活動をする状況は変わらないだろうし、逆に選考期間が短くなることで、かえって学生さんにとっては厳しい状況になるのではないかという懸念がありました。
 
私もここ数年の就活状況の中で、あまりに長期に渡る活動で疲弊している学生さんを見て、これではいけないという思いはありました。
ただその一方では、就活期間を通じて内面的に大きく成長した様子を見ることもあり、逆に早々に内定した人は入社後でもなかなか学生気分が抜けない様子があったりするので、こういう経験をする時間は必要だと思うこともありました。

 今はいよいよ会社説明会が解禁されようかという時期ですが、現段階での企業側の採用活動の様子を見ていると、ガイドラインが目的としていた効果は限定的で、懸念していた部分の方が現実になって来たような感じがしています。

企業側の動きとして、説明会の開始時期までは何となく様子を見ていたものの、求人倍率など企業側に厳しい状況が見えてきたこともあり、選考についてはなりふり構っていられないという雰囲気を感じます。経団連の加盟企業以外は、どんどん前倒しで動くところもかなりあるのではないでしょうか。

今年の状況を例えると、通勤ラッシュが昨年より一段と激しくなったというイメージで、学生という乗客に対して発着する電車の数が昨年以上に多く、なおかつそれが昨年以上に同じ時間帯に集中するというような感じです。
企業側は何とかして自分の電車に乗せて、内定という目的地まで連れて行こうとするでしょうし、学生さんが選考辞退という途中下車をしても、他の乗りたかった電車はすでに発車した後なんてことになりかねません。

学生さんが企業訪問をしながらいろいろ体験し、試行錯誤をしながらも自分の進路を見つけていくという時間的余裕は、今年の場合はあまりなさそうです。「時間がかかって厳しかったけど、就活で成長できた」という人も今年は減るのではないかでしょうか。

とにかく早く囲い込もうとする企業とそれに流される学生という構図は、まさにバブル期の採用に近く、ここで最も恐れるのは「ミスマッチの増幅」です。
ミスマッチは会社にとっても学生にとっても不幸なことです。ミスマッチを防ぐ一番の方法は、できるだけ多くの企業と多くの学生が出会い、お互いの理解を深め合うことですが、今年は例年以上に短期間で行動しなければそれが難しくなります。

特に今年は、世の中で言われている就活スケジュールを鵜呑みにしない方が良いと感じます。こういう時にあてになるのは、直接得られる生の情報です。
自分自身が実際に感じたことはもちろん、周りの友人からの情報、就職支援の方々からの情報など、お互いに十分な情報交換をして、状況確認をしながら就職活動に臨むことが賢明ではないかと思います。、


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