2017年9月11日月曜日

機械から怒られる気分にも、これからは慣れなければいけない



知り合いが新車を買い、隣に乗せてもらう機会がありました。
すでに所有していたり体験したことがある人にとっては、もうとっくに当たり前のことでしょうが、初めての経験だった私は、思った以上に技術が進歩していることに驚きました。

最新装備の車だったので、自動ブレーキや自動運転などの安全装置が数々ついていて、渋滞では勝手に前の車についていきますし、もちろんきちんと止まります。それがいかにも人が運転しているかのようにきわめてスムーズです。

ただ、ここで慣れなかったのは警告音の多さです。車線からはみ出しそうになると怒られ、自動でハンドルを戻されたりします。ちょっとセンターラインを踏んだり、他の車に近寄ったりしても警告されますが、普通の感覚ではまったく問題ないと思うものでも何かと警告音が鳴り、いつも何かしらで車から怒られている感じです。以前乗せてもらった別の車では、カーナビからスピードを出し過ぎだと怒られ、カーブを曲がる速度が早すぎると怒られました。

私は昔から車の運転は好きで、今でもマニュアル車に乗っていたりするのですが、こういう技術の進歩はすごいと思う反面、このいちいち怒られる感じにはどうも馴染めません。運転中にいつも何か横から口出しされているような気がして、あまり心地よくありません。
今の方が確実に安全で、衝突の危険も事故の確率も低いと思いますし、この警告される頻度も何かしらの設定で変えられるものがあるのでしょうが、私の場合はこの馴染めない感覚から変わって慣れていくまでには、結構時間がかかりそうな気がします。

最近は、こうやって機械からいろいろ指示されるものが増えている気がします。
例えばスマホなどのアプリでも、ウォーキングやランニングでの距離やスピードを音声でガイドしてくれたり、腕立てふせの回数をセンサーで測ってサボれないようなものがあります。

企業の人事の世界でも、最近はHRテクノロジーといって、AI技術を使った様々なサービスがあります。健診結果や食事内容、タバコなどの嗜好品の状況を総合して指導するものや、採用活動でのテスト結果などから、過去データと照らした将来の活躍度を予測して合否判定に活かすようなものもあります。
これらはまだ参考資料として一部で活用が始まっているくらいの段階ですが、たぶんこれからどんどん活用される場面は増えていくのだと思いますし、それがこれからのスタンダードになっていくのでしょう。

私は新しいものはどんどん使っていこうと思う方なので、技術進歩や使い方に関する抵抗はまったくありませんが、機械に怒られたり指図されたりすることへの心地よくない感じがどうなるのかは、ちょっとだけ心配です。

なぜ今一つ不快な感じがするのかを考えてみると、特に車の場合は、ちょっとのことでも基準に厳格に、文字や音声で一方的に指示を伝えてきて、しかも反論を許さないからではないかと思っています。でもそんな感覚を持ってしまうくらい、機械が人間の振る舞いに近づいてきているということでもあり、もしかすると将来は、こちらのご機嫌をうかがいながら絶妙な言い方で注意して、こちらの言い訳もいい感じで聞き流してくれたりするのかもしれません。

いずれにしても、これからは働き方も社会生活全般も、大きく変わっていくことだけは間違いありません。できれば快適な気分でついていけるようにしたいものです。


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