2019年1月14日月曜日

自分で「何とかできること」と「どうしようもないこと」を区別する


ある会社のメンバー数人が、自分たちのチームリーダーに対して、「話を聞いてくれない」「指示が不明確」などと言い、「リーダーの仕事をしていない」などと不満を話しています。

その矛先のチームリーダーに話を聞くと、こちらはちょっと悩んだ表情をしながら、「メンバーたちに自分の思いが伝わらない」といいます。
リーダーが言うには、チーム内で日常業務として当然やるべきことが放置されていたり、指示したことが徹底せずにルーズに扱われていたりすることがあるそうです。メンバーを気づかっているつもりのことが、かえって裏目に出て反発を浴びたりすることもあるといいます。

チーム内のコミュニケーションに問題があるのは間違いありませんが、それぞれの立場で言っていることには、共通している点があります。それは「相手が自分の思い通りの行動をしない」と不安を言ったり批判したりしていることです。

ここで考えなければいけないことは、「他人が自分の思い通りにならないのは当たり前」ということです。相手に自分の意志を伝えて働きかけることは「何とかできること」ですが、その結果がどうなるかはあくまで相手次第で、自分でコントロールすることはできません。相手の行動は、自分では「どうしようもないこと」です。

いろいろな人に話を聞いていると、この「自分ではどうしようもないこと」に対して、いら立ったり腹を立てたり、不満を言ったり批判をしたりということは、実は思いのほか多いです。自分では「どうしようもないこと」で、よけいなストレスをためています。
ここでお勧めしたいのは、「自分で何とかできること」と「自分ではどうしようもないこと」を、しっかり区別する習慣です。このことを意識していると、特に人間関係上の他人に対する不満は、ずいぶんと軽減されます。

前述の話であれば、例えばリーダーが「話を聞いてくれない」ことは、話を聞かない相手の行動を変えることはできませんが、聞いてもらえるまでこちらから話し続けることはできます。
リーダーの「指示が不明確」なことは、相手の指示のしかたは変えられませんが、自分から指示を確認して明確にすることはできます。
「指示が徹底せずにルーズになる」というのも、自分で「何とかできる」のは、指示が徹底するように伝え続け、確認し続けることまでです。

人間には、自分の努力ではどうしようもないことがあり、それは他人の気持ちであったり組織上の制約であったり、その他いろいろあります。そんなことはいくら考えても仕方ないことで、そういうことは放っておくしかありません。

相手の気持ちや行動を変えようとしても、相手にその気がなければどうにもなりませんが、自分の行動は自分で変えることができます。
自分で「どうしようもないこと」をしっかり区別していると、逆に自分で「何とかできること」が見えやすくなります。

自分では「どうしようもないこと」に関する悩みが、意外に多い感じがしています。

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