2013年4月16日火曜日

就活で機会を逸するパターン


政府が就職活動の開始時期を遅らせるよう経済界に要請しようという動きがあり、経済界も要請があれば受け入れる方向なのだと聞きます。学業優先のためということですが、就職活動は短期決戦になるということですから、さらに厳しさが増したり、よく吟味せずに決めることでミスマッチが増えたりすることを心配してしまいます。

ある会社で新入社員の方々に聞いたところでは、卒業までに就職が決まらなかった友人は結構いるそうで、就職環境はやっぱり厳しいなあと思います。
話を聞いていて興味深かったのは、なぜ決まらなかったのかについての理由として、「初めからあきらめムード」「やる気がなかった」という仕方がないものとともに、「肝心な時期に活動していなかった」「途中で志望を転換した」など機会、タイミングを逸したことを原因に挙げる人が多かったことです。厳しい環境ゆえに敗者復活や方針転換がしにくくなっていて、その時は深く考えていなかったほんの少しのタイミングのずれが、後々で致命傷になっているケースも多いようでした。

よく言われる就活のアドバイスとして、「しっかり自己分析して、できるだけ多くの企業をまわりなさい」なんてことがあります。これ自体は全く正しい事でその通りだと思いますが、限られた時間の中でできることには限度があります。ただ数を撃つだけでなく、確率が高いところに効率よく撃つ必要があります。

こんな観点で考えると、就活は「自分」という商品がより高く売れそうな会社、買ってくれる確率が高そうな会社(市場)を見つけて商談(内定)をまとめるということなので、まさに営業とかマーケティングの話と同じだと思います。

就活がうまくいかなかった人は、
「市場調査(=自己分析)をしているうちに他に受注(=内定)された」
「営業件数(=訪問社数)を稼いだが、どこも購買意欲が低い(=採用数が少ない、採用基準がやたら高い等)ので、受注(=内定)できなかった」
「うまくいかないからとターゲット(=志望業種・職種等)を変えてみたが、そこにはすでに他社の商品(=採用内定者)が行き渡っていた」

など、戦略を誤ったように見えます。これが就職活動のタイミングを逸して、結果的に決まらないという理由の一つではないかと思います。

就活中の皆さんは、一生懸命自己分析をして、その中でこんな仕事に就きたい、こんな会社に入りたいと考えるでしょうが、「自分」という商品を売るという観点で考えれば、「私は何をやりたいか」という自分目線とともに、「商談成立の確率が高い相手をいかに効率よく探し出すか」、つまり「自分はどこでなら評価されるのか」「自分が必要とされる場所はどこにあるのか」「人は自分に何をやらせたいと思うのか」という相手目線も重要になると思います。
そうでないと、タイミングを逸したり、立て直しが効かなくなったりする危険性が高くなってしまうと思います。

自分目線だけでなく相手目線も考えていただき、タイミングを逸するパターンに陥らないように注意していただきたいと思います。そして就活で良い結果を得られる人が、1人でも多くなることを願っています。


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