2013年4月23日火曜日

助成金という方法の良しあし


世の中には様々な助成金の制度があります。目的も企業支援、産業支援、労働者支援、教育支援、その他いろいろです。私の仕事上の話では、数年前に「雇用調整助成金」を受給中、申請を検討中という会社の話をよく聞きました。基本的には休業補償を補助するようなものです。

助成金というのは、決められた基準に合致して、申請書類さえ整っていれば支給されますから、特にリスクはないし積極的に活用している企業も多いでしょう。私も使えるものは使えばいいと思いますし、そんなご相談を受けたりすることもあります。

そんな中で、ある会社の社長さんがおっしゃっていたことで印象に残っていることがあります。その方は「助成金は麻薬のようなものだから、うちは使わない」とおっしゃっていました。
もちろん助成金の中身や支給のされ方(一時金か定時支給か)にもよるとは思いますが、一度そういうものをもらってしまうと、いつの間にか支給されることが当たり前になり、それが会社の収益構造の中に組み込まれてしまい、その後、助成金制度の改定や終了で支給が受けられなくなってしまった時に、会社としてどうすることもできなくなってしまう恐れがある。だからあえてもらわないということでした。

確かに助成金というのは、それで助かっている人がいる反面、悪く言えばお手当、お小遣いです。黙っていても一定額のものが入ってきます。それらがいくら事前に予告されたとしても、無くなってしまうとしたら、それに対応するというのは難しいものです。例えば「あと半年で仕送りは止めるから」と言われたとして、それに見合った収支バランスに生活を変えていくのが大変なのと同じでしょう。

企業に対しても個人に対しても、行政からの支援では、助成金という形をとるものが結構あります。支給基準や金額が議論になることもよくありますが、もう少し進めて、助成金という“毎月のお手当”のような形自体の良しあしも、支給する側、される側ともども考えてみる必要があるように思います。


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