2014年2月28日金曜日

ごく普通の商店の「創立55周年」



近所の商店街を歩いていて、ふと見ると「おかげさまで55周年」という張り紙が目に入りました。

私の知り合いの中にも、とても社歴が長い企業はあり、2代、3代と続いている立派な企業がたくさんありますが、どの会社もそれなりに強みを持っていたり特徴があったりと、何となく続く理由がわかるというようなところがあります。

ただ、このご近所のお店は、昔ながらのせともの屋さんで、確か年配のご夫婦が経営されていたと思います。古くからあるのは知っていましたが、そんなに目立つ店でも特徴がある店でもありませんし、それほど高級品を扱っている様子ではないので、商品の単価は決して高いものではないでしょう。

そもそも食器類ってそんなに頻繁に買うものではない気がしますし、最近であれば、安いものは100均でも買え、他にデザイン性がある海外ブランドのお店などもあり、きっと競争は激しいのではないかと思います。

お店の長寿の秘訣はそれなりにあると思いますが、扱っている商品の性格上、何か流行に乗って爆発的に売れることはないでしょうし、お客さんが行列するようなこともないでしょうから、ずいぶん苦労もされたのではないかと思います。

そんなことを考えながらこの「おかげさまで55周年」を見ていたら、何かすごい偉業のように思えるのです。
一見特徴が無そうな、失礼ながら平凡に見えるお店も、それだけの歴史を重ねてきているということは、きっと毎日コツコツとコンスタントに、欲をかかずに常に地道に継続ということだったのではないかと思います。それで55年間というのは、ちょっとやそっとの長さではありません。

特徴を出してエッジをたててという形で勝負する企業はありますが、このやり方だと瞬間風速は出せてもいずれしぼんで行ってしまいます。だから次々と新しいものにチャレンジし、瞬間風速を起こし続けなければなりません。そのエネルギーも発想もとても素晴らしいと思いますが、このお店の経営手法はきっとその対極にあります。

「経営」は「継栄」であるという言葉を聞いたことがあります。会社は継続して栄えてこそ意味があるということです。
あらためて継続することの大切さと、そのための方法は一つではないということを考えた一件でした。

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