2014年7月21日月曜日

女性“活用”という上から目線の言い方


政府の成長戦略や、企業での雇用や組織作りの取り組みに関する話題の中で、「女性活用」という言葉が頻繁に出てきます。

少子・高齢化や人口減少に伴う労働力不足、その他社会構造の変化への対策として挙げられることが、最近は特に多くなりました。
重要な課題でありながら、諸外国との比較などを見る中では、日本はまだまだ遅れている様子が見られます。
やはり、いくら表面的な制度を整備しても、企業社会ではまだまだ男性中心の意識を持つ人も多く、それが女性の社会進出を阻んでいる部分はあるのだろうと思います。

人の意識を変えていくことを、ただ自然に任せておくだけでは、やはりそれなりに時間がかかってしまいます。意識変革のスピードを上げるには、強制的にやらせるような施策も必要になってきますが、今はなりゆきと強制のバランスを取りながら、様子を見ている状況なのかもしれません。

私はこの意識変革がなかなか進まない原因の一つに、「女性“活用”という言い方への問題を感じます。今の企業社会の中で中心的な立場となっている人たち、主に男性側からの上から目線を感じるからです。

“活用”という言葉の意味を調べると、「物や人の機能・能力を十分に生かして用いること。効果的に利用すること」とあります。この「用いる」「利用する」という部分に、これを言う人たちの立場を、上に位置づけたニュアンスを感じてしまいます。

私は以前から“活用”ではなく“活躍”などの言葉の方がふさわしいと思っています。
実は最近、政府機関などから出ている資料でも、「女性“活用”という表現をしているものはほとんどなく、「女性の活躍」「女性を活かす」「女性の積極登用」などとなっています。実際に取り組みを担当している方々には女性も多いので、言葉のニュアンスを敏感に感じるところがあるのだと思います。

企業で新卒採用などを担当されている方々が、皆さん一様におっしゃるのは、昨今の女子学生はとても優秀であるということです。中には「評価が良い順に選ぶと大半が女性になってしまう」などとおっしゃる方もいます。
ただ、その評価が5年後も同じかといえばそんなことはなく、これは男女の特性から来る成長速度の違いなどもあるのだろうと思います。

企業の将来を考えれば、いかに優秀な人材を確保し、活躍の場をどのように作っていくかは重要なテーマです。もしも女性たちが、ただ単に男性と同様に扱えないという理由で排除されていることがあるとしたら、これは大きな損失です。

本当の意味で女性が“活躍”できる環境が、少しずつでも作られていくようになれば良いと思います。


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