2015年8月21日金曜日

「忙しいからできない」は理由になるのか



ある会社で目標管理の社員面談をお手伝いしています。

目標達成が見込めること、順調な進捗がわかることであれば、特に問題はなく、スムーズに話は進みますが、そうはいかない場合も多々あります。

目標達成が難しい理由、取り組みが進まない理由を聞いている中では、もちろんそれなりに納得できるものはありますが、意外に多いのは、「忙しかったからできなかった」というものです。他にやらなければならないことがたくさんあった、時間がなかった、などといいます。

本人が「忙しい」といっている人の様子を見ていると、確かに皆さん頑張って仕事をしていて、時間の余裕は少なそうです。ただ、そうは言っても「忙しいからできなかった」というのは、私は少し考えものだと思います。
なぜなら、「忙しかったからできなかった」ということは、目標達成につながる取り組みよりも優先する仕事があったという意味になるからで、本来であれば、そんなことは滅多に起こらないはずだと思うからです。

こういう中でよく思うのは、有名な七つの習慣で出てくる緊急性と重要性の話です。
「忙しいからできなかった」という人に、具体的な事情を聞いていると、必ずしも重要なことを優先していないように思います。
建前ではありますが、目標管理で設定される目標というのは、その期間に取り組む重点目標ですから、それを置き去りにしても優先しなければならないことというのは、常にあるとは思えません。
実際に様子を見ていると、特に日々のルーチン業務や、単に期限が迫った事務作業など、とりあえず目先にある緊急なものを優先していることが多いようですが、端から見ていると、後回しにして良いことが混じっているように感じます。
七つの習慣の中でも言っていますが、特に、ついつい優先してしまいがちな「緊急性は高いが重要性は低いこと」については、“やらなくても良い不要なこと”が混じっている可能性があります。最も注意が必要なところです。

「忙しかったからできなかった」というご本人たちは、そんなことは思っておらず、ただ目の前の仕事に一生懸命取り組んでいます。
ただ、そう言ってしまうのは、自分のタイムマネジメントや仕事の優先順位付けがダメなこと、自分の能力の無さを公言しているようなものです。

私自身は、本当に「忙しい」と思っても、そうは絶対言わないようにしていますが、何かにつけて「忙しい」ということをできない理由にする人は意外に多い感じがします。やはり言い訳としては便利な言葉なのかもしれません。

私の昔からの知り合いの中にも、「忙しい」が口癖のような人がいます。仕事ができない人ではなく、能力が高い人ですが、それを口にしていると、自分の価値を下げてしまうような気がします。
私は「忙しいからできない」とは言わないように注意したいと思っています。

2 件のコメント:

  1. コメント失礼いたします。
    仰る通りで、組織全体で気を付けないといけないことですね。特にこう発言する人には組織の問題で苦しめて成長の妨げのケースも心配します。
    社内資料を作る数が多かったり、報告や会議など、本当に目標に向け適切な環境を整えてるか・・・労使どちらも努力必要ですが、問題を全て部下だけに押し付けるような組織も見受けられますね。難しいことですが自戒の意味を込めて忙しいは言うべきでないのは当然ですが、ボヤくだけでなくこうしたら良くなるの思考と行動は心掛けます

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    1. コメント有難うございます。意識しないと口に出しがちな言葉ですし、おっしゃる通り、周囲に影響する事もあるので、私自身も自戒しなければいけないと思っています。

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