2016年2月24日水曜日

なかなか持てない「物事に見切りをつける勇気」



ある会社のナンバー2の方と話している中で、この会社が2年ほど前からやり始めたという、ある新規事業の話題になりました。
社長直轄で取り組んでいる事業だそうですが、これまでの2年間での売上はほとんどなく、やればやるほど投資と経費がかさんで、ただ会社の業績を圧迫しているだけなのだそうです。直近の売上見込みもほとんどメドがないようです。

それでも社長は将来性があるとか、引き合いの話があったとか、ああだこうだと言いながら決して取り組みをやめようとしないそうで、さらに新たな営業要員を雇ったりするなど、独断で追加の投資をしてしまうので、このままでは会社自体が存続できなくなるのではないかと、このナンバー2の方は危惧しています。新規事業がらみの中では、よくある話という気もします。

その後いろいろお話を聞きましたが、商材の内容や価格、市場、これまでの案件数や引き合い状況、売上実績などを見ると、私はあまり芽が出そうにない事業のように感じましたが、たぶん社長はそう思っていないのでしょう。実際問題としても、事業をやめてしまえばこれまでの投資は無になり、続ければもしかすれば何かしらのリターンがあるかもしれません。こればかりはどうなるか、何が正解なのかはわかりません。

それとはまったく別の話ですが、このところの株安がらみの雑談をしている中で、複数の人から「昨年末までの段階で手持ちの株をほとんど手放した」という話を聞きました。皆さんそれなりに投資で成功している方ばかりですが、異口同音におっしゃっていたのは、「この状態は続かない」「そろそろ見切り時だと思った」ということでした。

なぜそう判断したかという目の付けどころは千差万別でしたが、少なくとも皆さん必ず何かしらの論理があった上でのことで、決して当てずっぽうという訳ではありません。ただ、その事象を誰でも同じように捉えるかというと、それはそうとは言えず、何か直感が働いていることもまた確かだろうと思います。

実は私自身は、身の周りで起こることに対して、なかなか見切りをつけられないタイプを自覚しています。「せっかく今までやってきたのだから」という思いがなかなか捨てられません。見切りをつけられずに損害を被った経験は、幸い今のところはないですが、もっと伸びるとか効果があると思っていたことがさほどでもなく、それでも何となくやめられずに続けていることは、やっぱりいくつかあります。

ただ、事業とか投資とか会社経営ということはそれではダメで、何でも根気強く続けていればよいということではなく、この「見切りをつける勇気」がなければ、絶対に成功しないのだろうと思います。

でもやっぱり、「物事に見切りをつける勇気」を、私はなかなか持てません。もしかすると私以上に、攻めの姿勢で成功してきたような人ほど、引くに引けなくなってしまう傾向が強いのかもしれません。

大事だということは頭では理解しているものの、私はまだまだ修行が足りません・・。


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