2016年3月11日金曜日

超一流のメジャーリーガーでもベテランの生き残りは大変だということ



MLB公式サイトが、開幕時の40代選手が昨季の11人から大幅に減少し、6選手となる見通しを伝えていました。

トレーニング理論が進歩する中で、ベテラン選手の人数はどちらかと言えば増えていっても良さそうなものですが、過去に実績あるプレイヤーの場合は、契約条件のハードルが高かったり、現状の実力に比して年俸が割高ということがあったり、同じ力量なら若手を使いたいと考えるチーム側の思惑もあったりして、まだ十分にプレーできるだけの力量があったとしても、所属チームを見つけることが難しくなっているようです。
2007年には40代の選手は25人もいたそうなので、まだプレーできるのに辞めざるを得なくなってしまうのは、何だかずいぶんともったいない感じがします。

実は同じような話を、日本の企業の中でも聞くことがあります。40代以上のベテラン社員の扱いということです。
聞こえてくる話は、過去からの経緯で給料が高止まりになっているにもかかわらず、新しいことを身に着けられる余地が少なく、何事にもスピードは衰え気味、指示命令をするにも何となく扱いづらく、現場レベルの仕事で同じ力量なら若手に任せたい、同じ年齢層の人数が多いので、やってもらう仕事が見つけられない、というようなことです。

これは決してやる気がない、働かない中高年ということではなく、相応の能力、経験を持っていて、自分なりに勉強もしていて、やる気も十分にあるような人でも、同じように扱われてしまっている人が大勢います。その人の能力、経験は確実に活かせる場があると思われるのに、会社はそれを積極的にしようとしません。
やはり給料と人数の問題が一番大きいようですが、メジャーリーガーの場合と同じく、ずいぶんともったいない感じがします。

もちろん、メジャーリーガーのような超一流と、一般の会社員を比べるのは次元が違いますが、私が思ったのは、相当の努力をしてきて、高い実績も兼ね備えていて、現状でも十分な力を持っているメジャーリーガーのような人でさえ、ベテランが生き残ることは大変なのだということです。

そう考えれば、一般の会社員のように必ずしも一流ばかりではない者では、なおさらベテランの生き残りが大変だろうと思いますし、その一方でスポーツ選手ほど体力的な衰えに影響されないことを考えれば、今からの努力次第で変えられる余地が大きいとも思えます。

なぜこんなことを思ったかと言えば、このところ続けて何人か、有名企業にいて比較的高待遇な今の状況を保ったまま、何とか逃げ切りたいという中高年サラリーマンに出会ったからです。仕事で貢献しようとか、能力アップに取り組もうとか、そんな様子はほとんどありませんでした。
超一流の人でも生き残りが難しいというベテランが、やはりそれではだめだと思います。

ちなみに、マーリンズのイチロー選手は、10月に43歳を迎える今季も、メジャー最年長野手としてシーズンを迎えようとしています。評価をされ続け、働き場所を与え続けられるということは、本当に大変な、そして素晴らしいことだと思います。


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