2016年3月14日月曜日

批判しているのにいつの間にか真似をしている



社内で上司への批判、会社への批判は、どこの会社でも必ず何かしらはあるものです。
批判というのは改善テーマにつながることでもあるので、もしも批判がまったくないという会社があったとすれば、それは問題意識や改善意欲が少ない組織ともいえるので、あまり良いこととは思えません。

「人の振り見て我が振り直せ」というように、他人の行動の良いところは見習い、悪いところは反面教師として改めるということは必ずあると思いますが、私がいろいろな会社でお話を聞く中で、特に批判を語る人たちは、ほとんどの場合でこういうことをおっしゃいます。
「上司のやり方がおかしい」
「会社としての対応がおかしい」
だから
「それを反面教師にして、自分の部下にはそういうことをしないように意識している」
とのことです。

他人の真似をするということは、何かスキルを身につけようとするときには近道になることがあります。スポーツでも上級者と一緒に練習することで、自分の上達速度が上がったという経験をお持ちの方はたくさんいると思います。
その人が過去に経験した成功や失敗を活かせるというのは効果的なことですし、真似をする対象となるようなロールモデルが身近にいることは、とても望ましいことだと思います。これは「真似をしない」という反面教師の部分でも同じです。

ただ、私がいろいろな会社で見ていて思うのは、批判をしていて「反面教師にしている」などと言っている割には、結局同じようなことをしている人が意外に多いということです。

その理由には二つあると思っていて、まず一つ目は「お手本や反面教師の事例が少なくて、結局そのやり方しか知らない」ということです。
そもそもロールモデルとなるような人は、人生の中でそんなにたくさん現れるものではありません。ですから、そういう幅の狭さや偏りが出てくるのはやむを得ないところがありますが、真似をするにしても、そういうこともあると心得ておく必要があると思います。

理由の二つ目としては、「意識していることは真似することも反面教師にすることもできるが、無意識のことは知らず知らずのうちに似てしまう」ということです。
好感を持っていたり、逆に批判的に見ていたりすることは、それを意識的に捉えていればこそというところがありますが、そうでない無意識の部分をいうのは、置かれた環境や周りの人に影響されて、知らず知らずのうちに同じことをしているということがよくあります。企業風土というようなものも含まれますが、そこには当然、望ましい風土もそうでない風土もあります。

上司や会社を批判的に見ていても、いつの間にかそれに染まっていて、同じような行動をしていることがあります。自分はやっているつもりでも、他人から見るとそうではないということもあります。

自分たちが当たり前に思っていることであっても、今一度意識的に見直してみる必要があると思います。


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