ある記事に「オッサン」の定義なるものが出ていました。
(1)古い価値観に凝り固まり、新しい価値観を拒否する
(2)過去の成功体験に執着し、既得権益を手放さない
(3)階層序列の意識が強く、目上の者に媚び、目下の者を軽く見る
(4)よそ者や異質なものに不寛容で、排他的
ということです。
この定義からすれば、決して年齢によるものではなく、年令が若かったり、女性であったりしても、該当する場合があります。
最近、世間で話題になった不祥事のたぐいは、ほとんどがこの「オッサン」によるもので、組織の中で登り詰めて大きな権力を握っている人ばかりだと言っています。世間の感覚と大きくズレた、常識では考えられないことが、組織内部で平然と行われていたりするとあります。
そう言われると、官僚、企業幹部、スポーツ界、政治家など、確かに悪さをしているのは中高年男性がほとんどです。
この「オッサン」の定義ですが、自分自身に照らして見ていくと、(1)はそのつもりはなくても、周囲からはそう見えている可能性がある点で危うく、(2)は自分も成功体験はあるものの、既得権益というものを持ち合わせていないのでたぶん該当せず、(3)と(4)は独立して仕事をしているため、会社のような階層組織、同質の閉じたコミュニティに属していないので、こちらも当たらないだろうと思います。
ここで気づいたことですが、この「オッサン」の定義は、何らかの組織やコミュニティ、その他メンバーが限定されて集団に属していることが、実は大きな要件になっていることです。組織があってこその「オッサン」なのです。
既得権益は、一定の環境の中での力関係が維持されていなければ成り立ちませんし、一部クレイマーのような個人行動の場合もありますが、基本的には階層構造の組織に身を置いていなければ、目上も目下もありませんので、媚びることも威張ることもできません。
会社をはじめとした、ある種の閉鎖的な組織に属していなければ、「オッサン」化は防げることになりますが、こうやって見ていくと、組織上で起こっている多くの問題は、どうもこの「オッサンの定義」とつながっている感じがします。パワハラやセクハラなどは、まさにそうです。
会社という組織のありかたが、人のオッサン化を促進していて、たくさんのオッサンを生み出しているように感じます。「オッサンの定義」そのもののような会社を目にすることもあります。
「オッサン」にならないための一番の秘訣は、必要以上に群れないことです。多様な価値観を寛容に認めて、フラットな関係で多くの人と交流していけば、「オッサン」の定義からは外れるわけですが、確かにそういう人の方が若々しく見えて、オッサン的ではない気がします。
特定の組織や集団への帰属が行き過ぎるのは、いろいろな意味で良いことではないようです。
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