2021年8月5日木曜日

企業文化があらわれるCCメールの使い方

 

新聞の投書欄に「どう思いますか“CC使いすぎ?”」というCCメール使用に関する投書のまとめ記事がありました。責任回避や分散する意図であったり、大手企業にいた経験のある人では30人近くもの宛先を入れないと気が済まない人もいたりしたそうです。さらにそのメールに全返信で「承知しました」などと送る人がいて、あまりに無駄なので直接苦情を言って止めてもらったそうで、そこまでくると、確かにやりすぎ、使いすぎという感じがします。

 

あくまで私の経験ですが、CCメールの宛先が過剰な会社は、やはり企業規模が大きい場合が多く、なおかつ上意下達の風土が強いところが多かった感じがします。

これは関係先部署や関係者が多いということはありますが、特に役職者の中に、とりあえず知らせておかないと怒ったりへそを曲げたりする人がいて、たぶんその後のやり取りで面倒なことが起こるので、それを防いで安全を期そうとすると、宛先が膨大になってしまうのでしょう。メールしないで文句を言われるくらいなら、とりあえず送っておいて不要なら見なければ良いと考えるのは、当然の心理のように思います。

 

私は基本的に社外専門家として仕事にかかわるので、いろいろな会社でCCにたくさんの宛先が入ったメールを見たことはありますが、無駄なメールが多数送られてくるような実害は経験したことがありません。

送信する際も、閉じた関係者の中で情報共有することが多いので、そんなにあちこちに「とりあえず送る」という状況になることはありません。返信も必要に応じて、その都度宛先をよく確認しているので、用もない全員返信などしないように注意しています。

 

ただ、この記事で取り上げられている使いすぎとは反対に、共有が必要と思われるのにCCを使わないという会社に出会ったことがあります。

一つは個人的な判断の問題で、本来なら情報共有しておいた方が良い関係先まで意識が回らないということがあります。ただ、これも会社全体で結構同じ傾向だったりするので、企業文化の問題はあるように思います。

もう一つは、判断を仰ぐ相手や指示をされる相手など、意思決定がオーナー社長や少数の管理者に限られていて、その人にさえOKしてもらえば物事が進められるような会社です。「とりあえず社長に確認」などとなるので、そこへのコミュニケーションは欠かしませんが、それ以外の関係先に対する意識は、やはり希薄になりがちです。私のような社外人材の立場で見ていて、「この案件を進めるにはこの人の耳にも入れておいた方がよいはず」と思ってもそれが実行されず、私があとから直接お話をしたり、「CCに入れておいてほしい」とメール発信者にお願いしたりするようなこともあります。

 

CCの使いすぎは、仕事の上でも非効率で問題ですが、これをまったく使う意識がない会社もあります。CCの使い方を意識すると、「この情報は誰とどこまで共有すべきか」ということを考えるようになり、報連相の中でも特に「連絡」の部分での適切さが増します。

 

CCメールだけに限らず、どんなことでもそうですが、「目的に見合った、ほどよい加減の使い方」が大切です。

 

 

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