いろいろな会社で、主に自分の部下や若手社員の「指示待ち」が問題視されます。
「言われなければ動かない」「自発的な行動がない」「仕事への姿勢がすべて受け身」など、指摘されることはどこもほとんど同じです。
特にやり玉に挙がりやすいのは新卒の新入社員です。「やる気が見えない」「積極性がない」など、こちらも言われるのは似たようなことです。
ただ、新入社員のことでいえば、彼らは社会人としても社員としても、何の経験もない初心者中の初心者です。その人たちにいったいどんな行動を求めているのでしょうか。
「言われなければ動かない」の反対で、求められているのは「言われなくても動く」ですが、もし言われていないことを自己判断でどんどん行動されたとしたら、上司はたぶんかなり困るはずです。「言われなくても」と「動く」の間には、「こちらの意図通りに」という言葉が入りますが、ここにはそれなりの経験が必要です。
もう一つ「言われなければ動かない」の反対としては、「言われれば動く」となります。指示されてその通り行動するのであれば、そのことに何の問題もありません。「動かない」ではなく「動“け”ない」ことも考えられますが、その理由の一つは「指示がないから」、もしくは「指示の意味が理解できないから」です。そうなると、責任の一端は上司にあります。
「動“け”ない」という理由は他にも考えられます。多いように感じるのは、やはり「失敗を恐れる」ということです。本人は無意識のまま本能的にそういう行動をとっていることもあります。
「失敗を恐れる」のは、必ずしも自分の身を守りたいばかりではありません。「周りの人に迷惑をかけてはいけない」、だから「失敗してはいけない」と思っている人がたくさんいます。真面目な人が多いのか、自分のミスで他人の時間を奪ったりすることを、とにかく避けたがるところがあります。
自分だけが突出することを好まないため、みんなに指示されるまであえて待っているようなこともあります。周りとの関係に気を遣っているのです。
「受け身」「指示待ち」を批判的に言う人たちも、経験が浅い若手の頃は、同じように叱責された経験がある人は大勢いるのではないでしょうか?
その時はただ手抜きやサボりの気持ちで指示を待っていたのでしょうか?
もちろん中には「指示された方が楽」「言われた以外の余計なことはやりたくない」など、仕事への取り組み姿勢が好ましくない人もいるでしょう。しかし、それ以外の多くの人は、「受け身」「指示待ち」になってしまう理由が何かあり、必ずしも本人の姿勢に問題があることばかりではありません。
人が「指示待ち」に陥ってしまうのは、何か必ず理由があります。それをきちんと見極めて一緒に取り除いていかなければ、本当の解決にはつながりません。
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