2012年12月5日水曜日

事務処理コストの本末転倒


ある会社から郵便物が届きました。やけにたくさん切手が貼ってあって金額も余分なようです。それとなく聞いてみると、郵便物の重さをいちいち図るのが面倒なのと、そのためのハカリを買うのがもったいないので、いつも多少余分に切手を貼っているのだそうです。余分に切手を貼る分でハカリなんてすぐに買えてしまうように思います。

コピー用紙の使用にとてもうるさい会社があります。裏紙の使用はもちろん、ミスコピーなどするととっても怒られます。でも紙の購入は近くの文具屋でどう考えても高い金額で買ってきます。たくさん買っても置き場所がないのと、遠くまで買いに行くのが面倒なのだそうです。別に出かけていかなくても通販で買えるし、置き場所を工夫してその分だけ買えばよいと思ってしまいます。

「安いから」と言ってわざわざ遠くまで買い物に行き、その交通費や人件費を考えていないなんていう話はよく聞きますが、ここに挙げたほど極端ではなくても、企業においてこの手のことはよくあります。手間をかける意味がわからない指示が下りてきたり、決裁や判断、その他処理を先延ばししたシワ寄せが現場に行ったり、経営者や管理者の朝令暮改で手戻りになったり・・・。相応の意義や目的があれば良いですが、本末転倒になっていると思うことも良くあります。

マネジメントにおいて、臨機応変さは絶対必要ですが、それによって発生する事務処理コストを経営者や管理者がきちんと把握した上で、総合判断しているケースは案外多くないように思います。これを把握するためには、現場で行われていることは細かな事務作業のたぐいであっても、経営者や管理者自身がある程度知っておく必要があり、やはり現場視点が重要だということになります。

もう一点、新たな事務処理コストが発生する時、その意義が理解されていないと実際に作業する現場のモチベーション、やる気は確実に落ちます。これは組織全体の生産性が落ちることを意味します。

経営者や管理者が原因のことも、現場の担当者が原因のこともあるでしょうが、本末転倒なやり方を見て「なぜこんなやり方をしなければならないのか」とため息をつき、やる気を失っている人がたくさんいるかもしれません。自分たちの会社がそうならないように、経営者や管理者は心に留めておく必要があると思います。


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