2013年12月25日水曜日

「お試しできっかけを」という話


あるテレビ番組で、若者に消費を促すには「お試しできっかけを与えることが良いのでは」という話がされていました。

これは親や会社の上司、先輩など周囲の人たちの責任もあるが、未知のことを経験する機会が少なくなっていて、なおかつネットの情報などで、持っていないものでも使った気になったり、食べたことがないものも食べた気に、行ったことがないところでも行った気になってしまったりということがあるのだそうです。

既視感、既知感ということらしいですが、それにプラスして失敗しなくない心理の強さもあり、行動に移すことを躊躇したり、やたらと慎重だったりということがあるのだそうです。
これをお試しで使わせる、お試しで食べさせる、お試しで行ってみるということを通じて、消費行動への躊躇を取り除いていくということらしいです。

人事の世界でもこれと同じように感じることはあり、例えば今話題のブラック企業の話では、就活生がそういう会社には入りたくないとネット上の情報を調べ、それが過剰に慎重になり過ぎて、ちょっとでも気になることがあるとなかなか応募に踏み切れない活動すること自体を躊躇してしまうというようなことがあります。

最近は「インターンシップ」の活用が言われますが、これもお試しの一種なので、社会に出ていく不安や躊躇を減らすためということでは、同じようなことなのだろうと思います。

自分の経験で言えば、会社の上司などに自分ではいけないようなお店に連れて行ってもらい、そこにまた行きたいと思うかどうかは別として、そんな経験をしたということが後々で役に立つこともありました。最高級も最安価も知っていれば、幅が認識できるので、自分が遭遇したものが一体どんなレベルのものかという尺度を持つ事ができたのも良いことでした。
今思えば、自分の上の世代の人たちから、何かとお試しの機会をもらっていたということでした。

世代を問わず、人間は未知のことには何らかの不安や躊躇があって当たり前です。買い物に失敗したくないと思えば、事前にできるだけ情報を集めて失敗がないように準備します。さらに実物を実際に試す事ができたら、失敗するという不安や躊躇はなくすことができるでしょう。
これは新しい仕事でも、新しい職場でも、新しい人間関係でも同じことだと思いますし、この「お試し」にあたるような取り組みを、いろいろな形で実施している会社というのは、あまり目立ちませんが実は結構あります。

特に若手社員に対して、「お試しできっかけを」という考え方は、会社の中でも外でも、意外に多くの場面で当てはまるように思います。


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