2015年4月20日月曜日

「会社への不満」で見える会社業績の良し悪し


同じ会社の人間が集まれば、自分の会社に対するグチや不満が話題になるのは、よくあることだと思います。

私がいろいろな会社を見てきた中で、この「会社への不満」の程度や中身と、業績との関連性を感じることがあります。
まず、この不満がある会社と不満がない会社ということで見ると、実は不満がある会社の方が業績が良い、もしくは伸びていることが多いと感じます。一見よさそうな「不満がない」という状態は、言い換えると「現状に満足している」ということなので、現場での守りの姿勢や改善意欲の低さ、活気のなさを感じることが往々にしてあります。

また、会社不満があったとして、その中身が直接的な待遇に関する場合、例えば会社全体の給与水準が世間一般から見て低い、残業過多、休みが取れない、その他ハードワークにあたるようなことが見られると、業績にはマイナスに作用している傾向が強いと思います。
しかし、ハードワークであっても、それなりの報酬になる、自分のスキル向上につながる、仲間との関係が良いなどということがあると、業績向上につながっている会社があります。

この会社不満の見え方で、悪い影響が最も多いのは、「上司が部下に会社の不満を言うこと」「当事者意識を持たない他責の姿勢」です。こういう会社は、「不満がない」という問題意識が低い会社よりも、雰囲気が悪く行動もしないという点で、さらに性質が悪いです。

逆に、会社への不満が活力につながっている会社を見ると、不満を発信するのは主に部下で、その不満を上司が受けとめ、一緒に不満を言ったとしても、プラスして前向きな取り組みに仕向けています。

不満の言い方も、ただ会社や上司、その他周囲を批判して終わりではなく、その人たちにどうやって関与するか、自分たちはどうやって行動するか(うちの部門だけでやろうとか、中には反骨心からの活動と思われるものも含まれますが)など、少なくとも当事者意識を持って行動しようとします。

最近は従業員満足(ES)の重要性が認識されてきていますが、この本質を勘違いして、ただ不満を言われないことだけに腐心したり、逆に甘やかしだと批判的に捉えたりする向きがまだまだあります。

会社不満への対応には、解消が必要なもの、受け入れさせなければならないもの、活力に転換するように仕向けるものの3つがあります。

「会社への不満」は、ただ取り除けば良いものではありません。「社員からの不満がない会社」があったとすれば、特に業績面では決して良いことにつながらないと思います。


0 件のコメント:

コメントを投稿