2015年4月6日月曜日

「自立心旺盛な新入社員」のちょっと困ったこと


最近の新入社員は、受け身の姿勢が多いなどと言われますが、これは人によりけりで、自分から積極的に周りに働きかけ、自立的に行動しようとする人も大勢います。
ただ、そんな「自立心旺盛な新入社員」には、ときどき困ったことも起こります。

これは、つい最近ある会社であったことですが、入社に関するちょっとした事務手続きを、自己判断でやったことで間違いがあり、それを修正するように指示したところ、またまた自分で何かを調べて勝手な思い込みをしたらしく、ほぼ同じ種類の間違いを再びしてきたということがありました。

あらためて教えて手続きをさせ、何とか無事に完了したものの、本人はあまり反省している様子ではありません。そこまで重大なことではなかったということもありますし、そもそもよく知らなかったことを、自分なりに考えてやった上での結果だから、仕方がないと思っているのかもしれません。

この新入社員は、何事にも前向きで積極性があり、知らない人の輪の中にもどんどん自分から入っていける、周りの上司や先輩からもかわいがられそうなキャラクターです。

自分のことはできるだけ自分で解決しようと考えていて、わからないことは周りに聞く姿勢もありますが、自分の考え方には自信を持っていて、さらに若さゆえの世間の狭さがあるので、本来は周りに確認すべきと思われることでも、自分だけの自己判断でやろうとしてしまう傾向があるようです。

指示待ちの傾向が強い人の場合は、初めは細かく指示しながら成功体験を積ませ、徐々に自信をつけて自分から行動できるように仕向けるような指導をしますが、そもそも自信を持っている人への指導というのは、さらに難しい部分があります。自分に自信があるので、先にどんどん行動してしまうため、何かと失敗につながりやすく、それなりのプライドも持っていますから、失敗を失敗と思わないようなところがあります。

新入社員がこのようなタイプの場合、指導する側としては、ついつい「経過報告をしろ」「事前に指示を仰げ」などとなりがちですが、これは「自分では決めるな」と言っていることと同じなので、自立した志向を持っている人にとっては、最も息苦しいことです。そんな対応に終始すれば、「辞めたい」などと言い出すのも時間の問題です。

こういう人の指導で意識しなければならないのは、「これは自分で決めたこと」と思わせる手順です。
「○○をしなさい」という一方的な指示でなく、「○○をするのに必要なことは何だと思う?」など、自分で考えさせながら、正しい結論に導くということです。
これは、相手がどんなタイプでも当てはまる方法ですが、自立的に考えようとする志向を持つ相手には、より意識的に行う必要があります。

 また、自分で考えて行動する人は、あまり途中経過を報告しない傾向がありますから、指導する側から「あれはどうなった?」などと確認する必要があるでしょう。

 「最近の新入社員は受け身で困る」などと言う人は多いですが、“自立心旺盛で行動的な新入社員”を指導していくことも、これはなかなか大変なことです。

相手がどんなタイプの人であっても、新入社員の指導はとても難しいということの、一つの証明だと思います。


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