2015年7月17日金曜日

「部下を守る」ということについてのいくつかの形


最近、ある団体のブログ記事が目に留まりました。

クレーム対応について書かれた記事でしたが、それによると、ある有名外資系のショッピングセンターで、明らかにクレームを通り越し、スタッフに「イチャモン」をつけて、商品を「タダにさせてしまおう」という魂胆のお客がいたそうです。
そこへ出てきた欧州系の外国人支配人は、「出て行け!お前は客じゃない!」と物凄い剣幕で怒りだし、「スタッフはお前の奴隷じゃない、謝れ!」と言ってクレーマーに謝らせたそうです。

その支配人は、「このラインを超えたら客じゃない、というところまではスタッフに努力させるが、それ以上やらせると、スタッフが仕事に恐怖を感じるようになってしまう。それを絶対に避けるために、クレーマーがラインを超えた瞬間からは、スタッフを守るのが義務だ」と話していたそうです。

 これを読んで少し考えたのは、この支配人が日本人だったらどうしただろうかということです。
多くの人は、同じように部下を守らなければならないと思うでしょうが、その行動として、たぶん、部下と一緒か、もしくは部下の身代わりになって、クレーマーに謝っていたのではないかと思うのです。

これもあるところで読んだものですが、海外の会社で、ある社員が仕事上の失敗を犯し、その社員の上司のもとへ、上席部長がクレームを言いに来たそうです。
ガラス張りの部屋の中の姿しか見えませんが、初めは冷静に話している様子だったのが、そのうちお互いにヒートアップし、大声で言い合いをしている状況だったそうです。
そこから漏れ聞こえてきたのは、「彼一人の責任ではない。責任者は私だ!」という直属上司の声だったそうです。

その言い合いは何とか落ち着いて終了した後、直属上司はその失敗を犯した社員を呼び、今度は烈火のごとくその社員を叱ったのだそうです。周りの圧力からは徹底的に守るが、直接的な間で言うべきことははっきり言うということだと思います。

欧米の場合は、こうやって守らなければすぐに社員は切り捨てられるでしょうし、それを逆手に、気に入らない部下を排除する人がいるような話も聞いたことがあります。それぞれの文化の違いは、確実にあるでしょう。

「部下を守る」と一言でいっても、その方法はこのように意外に多様です。また、何が正解ということはないのだと思います。

ただ、前述のショッピングセンターの外国人支配人は、こんなことも言っていたそうです。
「日本のお客さんは、商品とサービスの品質に厳しいが、時にその限度が超えると、単なるわがまま客に変身してしまうことが多く、さらに店から断られることに慣れていない。これは、全国的に頭を下げる接客しか教えてこなかったからだろう」

日本人のサービスは世界一だと、多くの人は胸を張りますが、その一方で、こういうクレーマーのような人たちを生み出してしまっているのかもしれません。こんな形で部下を守らなければならないということについては、日本人としての反省が必要ではないかと思います。
そして「部下を守る」という方法についても、考えていかなければならないのだと思います。


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