2015年7月3日金曜日

さんまさんが語った「安定を目指すより、不安定をどう生きるか」に思うこと


新入社員の意識調査、その他若者を対象にした各種の調査では、若者の安定志向の傾向が言われていますが、タレントの明石家さんまさんが、安定志向の20代に関して、ラジオ番組で語った生き方についての自論が話題になっているという記事を見ました。

番組で紹介された川柳、“20代・今後の安定・考える”という作品に対して、
「安定になろうと思っただけで、もう不安定」
「安定を目指そうとするのは無意味」
「不安定をどう生きて行こうってこと」
「不安定な方が面白い」
と語っていたということです。

私は安定志向が悪いこととは思いませんし、誰しも「先行きの心配をせずに、平穏に生きたい」と思うことはあるでしょう。
ただ、実際には、どんなに金銭的に裕福な人でも、夢をかなえた人でも、先行きの不安がなくなることは絶対にありません。安定していると思えるような状況は、あったとしてもほんの一時のことでしょうし、人生の中では、先が見通せない不安定な時期の方が、圧倒的に多いと思います。

これは仕事でもいえることで、例えば、安定していると言われる公務員のような仕事であっても、何かしらの先行き不安を持つ人が大半で、安定を満喫しているということは、ほとんどないでしょう。
また、ある分野を極めたカリスマのような人で、誰が見ても安定した地位にいると思える人であっても、本人は“これで自分は安泰だ”などとは思っていないでしょう。

さんまさんの言うように、「圧倒的に多い不安定な時間を、どうやって過ごしていくかの方が重要だ」という考えは、なるほどその通りだと思います。

以前、あるテレビ番組で、日本の起業が増えないことに対する議論をしているのを見ている中で、外部からの感想として、「起業なんていうイチかバチかの行為は、そもそもハードルが高すぎて、しようという気にならない」というものがありました。

これについて、私は起業をした立場の人間ですが、そこから言わせてもらえば、起業には確かにリスクはありますが、そもそもそんなイチかバチかの賭けやバクチのようなことはしません。成功させる見通しを立て、リスクをできるだけ低くする取り組みを、数々考えて実行しながら進めていくものです。
私からすれば、会社に属していて、自分の待遇や仕事内容が、他人に委ねられている状況の方が、逆によほど不安定と思えることがあります。

右肩上がりの経済が転換してから、ずいぶん時間が経ちますが、そのせいもあってか、最近は、先が見通せないことを、必要以上に恐れる人が増えているように思います。
不安定を面白いと思えるかどうかは、人によって違うと思いますが、人生は不安定なものであるということを、そもそもの前提として考えるということは必要だと思います。
「さんまさん、いいこと言うな」と、結構感心しているところです。


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