ある人から、40年ぶりくらいに開かれた、自分のクラス会の時の話を聞きました。
かつてのクラスメイトの中で、自分が見て一番の出世頭だと思った人は、それなりに知名度がある文化人になっていたそうです。
その当時は成績も中くらいで取り立てて優秀ということでもなく、目立つ人でもなかったそうで、自分の方が、成績はトップクラスでよほど優秀だったそうです。
ただ、自分とこのクラスメイトでは、当時から違っていることがあったそうです。
自分はその当時から、自分の意見を常に口に出して言い、それが良いことだと思っており、大人になってからも、相手を論破して留飲を下げるようなところがあったのだそうですが、それに対してこの元クラスメイトは、その当時から良く相手の話を聴く人で、自分もいつも話を聞いてもらっていたそうです。それも、ただ一方的に聞いているだけでなく、いろいろ質問してくれたり、相づちを打ってくれたりして、いま思えばとても話しやすく、話し相手として楽しい人だったそうです。
今回久しぶりに会っても、それはまったく変わっていなかったそうです。
自分もそれなりに人生経験を重ねて、自分のことを言うばかりでは、賛同者はいるかもしれないが、敵もたくさん作ってしまい、あまり得な人生ではないと気づいたそうです。
そこから、相手の話をできるだけよく聴くことを心がけるようになったということですが、そんな目で、この久しぶりに会ったクラスメイトを見たとき、「ああやっぱり聴き上手は得をするのだ」と、心から思ったということでした。
「人の話をよく聞きなさい」「傾聴が大事」「話し上手よりも聴き上手」など、聴く姿勢の大切さが良く言われますが、本当の意味で実践するのは、実はかなり難しいことです。
以前、ある会社の研修で、話し手は自分の好きなことで、なおかつ相手があまり興味の無さそうなことを一方的に話し、聴き手はひたすら相づちを打ちながら、その話を3分間聞き続けるというセッションをやったことがあります。
この時、3分経ってもなかなか話が終わらない人がいるのですが、この話し手に聞くと「話を聞いてくれていると思うと、ついつい話がはずんでしまった」といい、これに対して聴き手は「3分間は結構長かった」などといいます。人間にとって、「自分の話を聴いてもらう」ということは、それほど心地よいということであり、それに対して「相手の話を聴く」ということは、それなりの忍耐も必要であるということです。
いずれにしても、「聴き上手」の方が他人から好かれ、敵になる人はおらず、いろいろ得をすることも多いようです。
あらためて「聴き上手」を心がけてみると、意外に幸運が舞い込んでくるようになるかもしれません。
小笠原さん、今日は午前中の仕事を終え家内と年末に向けた庭の手入れ。 柿と蜜柑の選定と草木の手入れでした。 このコラムを見てからやったら良かった! 口を出すばかりで手を出さない家内に『なんやねん』とやってしまって。 聞き上手、頭では分かっていてもなかなか・・・。 コンサル業界にいる立場として大反省でした(笑)
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