ここ最近、技術の進歩のよる機械化、自動化、IT化によって、思いがけない仕事が消えると予測され、そのことを心配したり悲観したりする話をよく聞くようになりました。自分がたずさわってきた仕事、苦労して資格を取った仕事、たくさんの経験を積んできた仕事がなくなると言われれば、そういう気持ちになるのは当然のことと思います。
そんな中、最近見たコラム記事に「今後10年で生まれる“未来の仕事”」というものがありました。
21の職業が挙げられていて、一部を紹介すると、今後5年で生まれる可能性があるものとして、
・人工知能(AI)事業開発責任者
・エッジコンピューティング専門家
・散歩・会話の相手
・フィットネス・コミットメント・カウンセラー
・AI支援医療技師
・人間と機械の協働責任者 など。
さらに今後10年で生まれる可能性のある職業として、
・仮想店舗シェルパ(案内役)
・個人情報ブローカー
・個人記憶キュレーター
などが挙げられていました。
これらが具体的にどんなことをするのか、名前だけでは今一つわかりませんが、これらの共通点として
・人々を支援することが重視される。
・健康と福祉の重要性が増す。
・人と機械、現実と仮想など、複数の世界の橋渡しが重要になる。
とありました。
どんなに技術が進歩しても、人間が人間的な関わりを欲することに変わりはないとのことでした。
実はこの話は電車に乗りながら見ていたのですが、例えば鉄道の世界で「消えた仕事」を考えると、ずいぶんたくさんのことがあります。
乗車券を手売りする人や、改札で切符を切る人はもうずいぶん前からいなくなりましたし、車内検札もなくなりました。券売機すら台数が減り、どの駅でもほとんどが機械による自動改札です。今はホームドアを設置する駅が増えているので、ホーム監視の仕事も減っていくのでしょう。
では、それで駅員さんがやることがなくなったかといえば、決してそうばかりではありません。新たな機器の不具合には対応しなければなりませんし、案内や救護、問い合わせなど、様々な乗客対応は相変わらずしなければなりません。駅の掃除なども技術的には機械でできそうですが、今でも結構な範囲を手作業でしています。今のところはたぶんそれが一番効率的なのでしょう。
「消えた仕事」は確かにありますが、その一方で新たに「生まれた仕事」や、別の内容に「入れ替わった仕事」がたくさんあります。少ない人数で回せるようにはなっているのでしょうが、日本の場合は人口も減っていくので、多くの人がどんどん仕事を失っていくような状況にはならないでしょう。
こうやって考えると、「消える仕事」を心配したり、いかにしがみつくかを考えたりせず、「生まれてくる仕事」にはどんなものがあるのか、それにどうやって順応するかを考えた方が得策だと思います。
さらに言えば、そんなに根を詰めて考えなくても、自分ができる仕事は必ず何かあり、そこへ自然と移り変わっていく人が大半なのではないでしょうか。
「消える仕事」と同じくらい「生まれる仕事」「入れ替わる仕事」があります。「消える仕事」にしがみつかずに、「生まれる仕事」に順応することを考え、さらにそのことはそれほど心配しなくても良いと思っていますが、ちょっと楽観的すぎるでしょうか・・・。
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