“「大人のインターンシップ」は効果があるか”という記事がありました。
始めに日本マイクロソフトが2018年2月から始めると発表した、高いスキルがあるのに出産や介護、夫の海外赴任などで離職した女性に対して、数カ月間試しに働いた上での再就職の検討を勧める“リターンシッププログラム”が紹介されており、他にも女性、シニア、若者の再就職にあたって、様々な形での就業体験、インターンシップの制度が紹介されていました。
勤務先の許可を得て他社の仕事を体験することで、人材育成の一環とするような制度もあり、記事では社会人を対象にしたインターンシップは、参加者と受け入れ先の双方にメリットがあり、成功例が広まれば、一気に普及が進む可能性もあると結ばれていました。
私も学生に限らず社会人でもインターンシップなどの就業体験を通じて、事前に勤務先候補の企業との相性を測ることは、とても意義があることだと思います。
試しに働いてみることで、実際の仕事内容だけでなく、その会社での人間関係やプライベートな生活リズムの変化までを体験することで、入社後のミスマッチを減らすことは間違いありません。
これは私がかつて独立する際に思っていたことですが、なぜ転職でなく独立を選んだかと言えば、複数の企業を相手に仕事をするパラレルワークがしたかったからということがあります。その理由は、仮に転職という形を考えたとき、私の専門分野である人事という仕事は、企業理念や企業風土が明確に反映されるところがありますが、その企業の内面まで含めた理念や風土と自分の価値観が合うのかどうかを、就職活動という中だけで判断できる自信がないということがありました。
多少のギャップがあるのは当然で、それを埋めるくらいの許容度は持っているつもりでしたが、もしもそれが自分にとって大きすぎたとき、我慢して勤め続けるのではせっかくの転職の意味がないですし、簡単に辞めるのではお世話になった会社に失礼だし、自分の職務経歴上も好ましくないし、就職活動を繰り返すことの無駄も考えていました。
その結果として自分で独立するという道を選び、どうにかこうにかやってきながら今に至る訳ですが、もしこの頃にインターンシップのような制度があったとしたら、自分の考え方はずいぶん違っていただろうと思います。少なくとも選択肢が増えていたことは間違いありません。
転職が一般的になった昨今ですが、就職先を決めるということが、自分の人生の中で重要な判断であることは、今も昔も変わりません。
しかし、一般的な就職活動、採用活動というのは、お見合いをして数回デートしただけで結婚するようなものですから、実は結構ギャンブル的な要素があります。これは企業側でも同じです。
ここにインターンシップのような仕組みがあったとすると、ある程度の交際期間を経て、お互いが納得した上での結婚になりますから、これは働く側にとっても会社にとっても悪い話ではありません。
少なくとも、これからの就職活動、採用活動は、今までとは大きく変わっていくことだけは間違いないだろうと思っています。
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