2018年8月6日月曜日

「威圧的なリーダー」のメリットは何か


アマチュアボクシングを統括する競技団体の会長が、不正やパワハラ、不適切な交友などの疑惑を告発、糾弾されています。

ご本人のインタビューやテレビ出演の動画を少し見ましたが、服装、態度ほかの見た目や言動は、めったに出会わないような威圧感が満載の人でした。
初めは、なぜ組織の中での一個人が、これほどまでに好き勝手なことができるようになるのかが疑問でしたが、この会長の様子を見ていて、周囲の人たちは「何をされるかわからない怖さ」からこうなっていったのではないかということを、何となく感じました。

真相がどこまで究明されるのかはわかりませんが、いずれ結末は出るでしょうし、それはこの会長にとって、メリットが見いだせることではないでしょう。

この例ほど極端ではなくても、こういうタイプのリーダーが組織のトップに居座っているケースは、意外に数多く聞くことです。「パワハラ」「老害」「(悪い意味での)ワンマン」などと批判されていることが多いですが、本人は気にしておらず、自信満々でいます。

そういうリーダーは、威圧的、攻撃的なタイプであることが多いですが、そんなリーダーが組織を率いることでのメリットがあるのかと言えば、私は何一つないと思っています。
威圧と攻撃によって、当然ですがメンバーたちは、できるだけリーダーとの接触を避けようとします。リーダーが聞ける話は当たり障りのない話、耳障りのいい話に限られ、文句を言われそうな要素は先回りしてつぶしますから、ボクシング連盟の「過剰接待」のような話になります。

これはまさに組織のコミュニケーション不全で、組織運営のために必要な情報がリーダーの耳には届きません。そんな組織がうまくいくはずはなく、ボクシング連盟の件もこの展開的なパターンでしょう。

組織で成果を出すことを考えれば、チーム内のコミュニケーションは最も重要な要素ですから、威圧して人を遠ざけるよりは、信頼関係のもとに何でも話し合えた方が良いことは間違いありません。
リーダーとして結果を出したい、組織で成果を上げたいと考えれば、部下やメンバーに対する「パワハラ」「威圧」「攻撃」は、最も避けるべき行動ということになります。

それでもなお、威圧的リーダーが存在するということは、組織の成果とは異なるところにメリットがあることになりますが、それはたぶん「リーダー自身にとって都合が良い」ということです。
「みんなが言うことを聞く」「持ち上げてくれる」「プライドを満たせる」など、自分の権威欲を満たすことを最優先に考えると、相手に対して威圧的に接するメリットが出てきます。

「パワハラ」「威圧」のリーダーほど、「これがチームのため」「厳しさが必要」などと言いますが、もし本気でそう思っているのであればそれは逆効果であり、そう言いながら自分のプライドを満たしているだけということが多いでしょう。

「威圧的なリーダー」のメリットは、そのリーダー自身が気分よく、そして周りが言いなりで動くなど、自分にとっての都合良さしかありません。それはチームの成果とは結び付かないことです。
リーダーに欠陥のある組織は、やっぱりうまくいきません。

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