2020年1月6日月曜日

シニアから若手まで「仕事への向き合い方」のいろいろ



明けましておめでとうございます。本年も引き続きお付き合いいただければ幸いです。

特にここ数年は、「仕事への向き合い方」の話を、いろいろな人から聞くことが増えました。
私自身は会社員ではないので、直接関係ないことですが、年齢的には定年が身近になる世代なので、それに関する話をよく聞きます。
ただ、今いろいろな形でお付き合いしているのは、年令は20代から70代以上まで、仕事も会社員だけでなく自営業やフリーランス、さらに就活中の人やすでに仕事を引退した人までいるので、本当にいろいろな話を聞く機会があります。

最近よく聞く話の一つは、「副業で何かしたい」ということです。ちょっと収入を増やしたい人から、あわよくば独立したい人までいます。
ただ、それが「起業」の一環だということを理解していない人がまだまだいて、例えば大企業勤務の中高年から、「コンサルティングくらいなら自分でもできると思うので・・・」などと相談されますが、よほど実績があるか人脈豊富な人でない限り、その感覚では絶対にうまくはいきません。要は副業を甘く見ているのですが、このあたりは、若い人の方がよほど地に足がついている感じがします。

決して多くはありませんが、「いかにして会社にしがみつくか」という話をされたことがあります。
「言われたことだけ最低限」「よけいなことをしない」「プライドは捨てる」など、真面目に働く若い人が激怒しそうな内容で共感できませんでしたが、役職定年や給与の引き下げなどが続いて、それでやる気を失ってしまうのは仕方がない面がありますし、会社に従ってきた結果で選択肢がそれしかなくなってしまったとすれば、それは会社にも責任があります。

はっきり「しがみつく」とは言いませんが、似たような感覚の20代、30代の若手もいます。仕事はあくまで生活のためと割り切れば、職業選択は仕事内容と報酬のバランスであり、同じ環境で同じことを続けている方が楽なことには違いありません。
一方、キャリア意識が高い若者は増えていて、自分の経験値にこだわり、会社以外では自分のために学んだり、コミュニティに参加したり、転職にも積極的です。
「最近の若者は安定志向」と言いますが、その裏にあるのは不安ですから、今ある環境を守ろうとするのも、自分磨きに熱心なのも、根は同じように思います。

経営者や自営業では、定年がないので働きたければいつまでも働くことができ、引退時期は自分で決めることになりますが、あっさりと身を引く人もいれば、いつまでも現役にこだわる人もいます。
引退時期というのは、本人の意思で決められる場合はあまり問題になりませんし、体力的な難しさならば本人が自覚できますが、能力的な難しさなどはなかなか本人が自覚せず、いつまでもその地位に居座ることがあります。
これは会社に限らず、様々な組織、団体で耳にしますが、やはり本人任せだけでは難しいところがあり、どこかで辞めてもらう仕組みは必要です。

国の政策として、年金財政の問題などから、できるだけ長く働いて収入を得るようにという方向のようですが、私よりも年上の人たちを見ていると、気力と体力はとても個人差が大きく、一律に「70歳まで」などと言われても、人によって事情が違います。
元気なお年寄りは確実に増えていますが、その元気さをどこまで仕事に振り向けるかは、人によって考え方が違います。再雇用制度などで定年後も働き続ける人が今は多いですが、とにかく仕事は定年で区切りをつけたいという人はいますし、会社に残ってほしいと望まれても断る人がいます。そういう人は、「仕事以外にやりたいことがある」「もう十分に働いた」などと言います。

「どのくらいの時間働くか」という話もあります。フルタイムで働ける環境でもパートタイムを希望する人がいますし、フルで働きたくても環境が許さないこともあります。これは定年後の話だけでなく、育児や介護といった場面でもあることです。

このように、「仕事への向き合い方」は本当にいろいろありますが、共通して大事な唯一のことは、「他人任せにせず自分で考えること」です。会社の流れに身を任せていれば良い時代は、もうすでに終わっています。学校を卒業して「良い会社に入った」と、安心してしまうことで損をするのは、結局は自分です。
定年のように、一律に年齢で区切る不合理も顕著になっており、会社の仕組みにも考え直すべきことがたくさんあります。

「仕事への向き合い方」はどんどん多様になっていますが、決めなければならないのは自分です。


1 件のコメント:

  1. 昨年のHRMの記事などを見ていると、従来のように一つの会社に居続けることの限界と、社員をまとめて管理するマネジメントの限界でしょうか。前者は20年ごとのキャリアの見直しなどの話題があり、後者ではAIを使った個人ごとのsポートなどが話題になっています。小笠原さんの指摘の事柄は、あまり社会に接していない私でも感じることがあります。
    いろいろな示唆に富んだブログで参考になります。
    本年もよろしくお願いいたします。

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