コロナ禍のため自宅で仕事をすることが多くなり、人との会話や身体活動が減ってしまうので、その気分転換と運動のために、よほどの悪天候でない限りは毎日の散歩が日課になっています。同じような人も多いのではないでしょうか。
そんな中でふと気づいたことですが、この散歩ルートは無意識のうちにいつの間にか、毎日ほぼ同じ道を歩くようになっていました。特に行先もなければそうなってしまうのは仕方がないのかもしれませんが、同じ行動を繰り返していては、毎日の景色は変わらず、何も変わったことは起こりません。
私自身の意識に、「同じことをしている限りは同じことしか起こらない」というものがあります。
会社勤めなどでは特にそうですが、毎日同じ時間に家を出て、同じ時間の電車に乗り、場合によると車両も乗車位置のドアも同じだったりします。
同じオフィスに向かって、顔見知りの同じメンバーと一緒に、日次、週次、月次で繰り返されるような同じ仕事をしていたりします。定例〇〇のようなものに多くの時間を割かれます。
そんな中では、刺激的な出会いも、好奇心をくすぐられるようなことも、面白い経験もする機会はほぼありません。身近な行動を変えなければ、悪い変化に出会うことは少なくて済むかもしれませんが、良い変化にも遭遇することはできません。
企業の中でも、意識改革や組織変革を声高に言う人に限って、毎日同じような行動パターンを続けていたりします。本人が変化しようとしないのに、周りだけ都合よく変化することはありません。
もちろん、同じことを繰り返すのは、決して悪いことではありません。例えば同じ品質のものを作り続けるような仕事では必要なのかもしれません。
ただ、これはあるベテランのパン職人が話していたことですが、温度や湿度、気圧といった環境は毎日違い、原料の品質も少しずつ違ったりします。そういう中では、前と同じ仕事をしたからと言って、同じ製品にはなりません。その時の状況を見極めて、それに合わせて変化しないと、同じものは作れないと言っていました。生み出すものは同じでも、常に変化が必要なのです。
また、技術や文化、人の気持ち、流行、その他時代の変化は常にあり、同じ行動をやり続けていることは、気づかないうちに徐々に退化していることになります。わずかであっても変化する意識は必要です。
ただ、「同じことをしている限りは同じことしか起こらない」と意識していたつもりの自分でも、無意識のことでは同じ行動の繰り返しに陥ってしまっていました。人間は無意識だと同じ行動になりやすく、意識していないと行動を変えるのは難しいということです。
毎日規則正しく過ごすことが大事という人はいるでしょう。特に日本人には多いようです。
ただしその行き過ぎには弊害があります。同じ行動は同じ結果しか生み出しませんから、前の日と同じ行動をしている限り、今日もほぼ同じことしか起こりません。悪い変化は少ないかもしれませんが、良い変化もありません。そしてそれは徐々に退化していることです。
もし明らかな危険がないならば、歩く道順をちょっと変えるだけでも、何か面白いことに出会うかもしれません。それが大きな可能性につながることもあり得ます。
まずは身近な少しのことから変えてみると、意外な幸せが待っているかもしれません。意識しなければ行動は変わりません。
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