2016年5月2日月曜日

「明日でもいいことは明日やればいい」も必要だと思ったこと



「今日のことは今日のうちに済ます」
「先延ばしせずに今やる」

こういう行動を悪く言う人は、あまりいないのではないかと思います。どちらかと言えば、私も「できることはすぐやる」という意識があるので、物事をできるだけ先延ばししないようにしようと、常々思って行動するようにしています。

ただ、ある先輩から「明日でもいいことは明日にすればいいんだよ」と言われ、その理由を聞くほどにちょっと考えてしまうことがありました。

その先輩がおっしゃるには、「今日やらなくても大丈夫なことは、もしかすると明日もやらなくて大丈夫かもしれないし、明後日もそうかもしれない。そのまま放っておいたら結局はやらずに済むことかもしれない。そんなことを今日急いでやるなんて無駄だろう?」とのことです。

こう言われて、はじめ私は何となく怠惰とか無責任とか、そんなイメージを持ってしまいましたが、先輩は続けて「何でも急いですぐやっていては、実際にはどうでもいい無駄なことがたくさん混じってくるもので、そういうことを見極めて本当に大事なことに時間を使おうとしたら、明日でもいいことは明日に延ばしていくことも必要だよ」とおっしゃいました。

実はこの先輩も、かつては「今日のことは今日のうちに済ます」を実践していたそうですが、ある時に体調を崩してしばらくの間療養しなければならなくなり、それまで手掛けていたすべてのことを、いったん先延ばしせざるを得なくなってしまったそうです。
ただ、その結果として、本当に自分が困ったり、誰かにどうしようもない迷惑をかけたりしたことは、全体の2割もあったかどうかということだったそうです。そこで、いかに多くの時間をどうでもいいことに使っていたのかと考えるようになり、「明日でもいいことは明日やればいい」と思うようになったのだそうです。

これはよくよく考えてみれば、まさに「緊急性と重要性」の話です。
「今日のことは今日のうちに済ます」は、常に緊急性を重視しているということで、これを美徳だと思い込んでそればかりに偏っていると、本来やるべき重要なことを後回しにしている可能性があります。

実際に仕事をしていれば、「緊急だけど重要でないこと」「重要だけど緊急でないこと」も、どちらも並行して取り組まなければなりませんが、意識していないと「緊急だけど重要でないこと」に振り回されてしまうというのが、有名な“七つの習慣”で出てくる話です。

「重要だけど緊急でないこと」に取り組むには、そのための時間を意識的に作り出さなければなりません。そのためには、「今日のことは今日のうちに済ます」ばかりではいけないのだと思います。
この先輩のお話を聞き、私自身も実は重要なことができていなかったのではないかと、反省しきりでいるところです。


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