「モチベーション」という言葉は、仕事の現場で結構よく聞く言葉です。多くの場合で「やる気」「動機付け」といった意味で使われます。
モチベーションが上がったとか下がったとか、さらに自分のことだけでなく、部下など他人のモチベーションを「上げるには」とか「下げないように」などと気にします。
ある会社のマネージャーは、会社批判のニュアンスで「なぜ社員のモチベーションを下げるようなことをするのか」と憤っていることがありました。
みんなが「モチベーションを盛り上げること」が重要だと言います。
何か行動を起こそうとするとき、やる気がなければできませんし、周囲への気配りやチームの雰囲気づくり、盛り上げに気を配るのは良いことですが、私はそこで「モチベーション」というキーワードを強調しすぎることには、少し違和感を持っています。
そんな中、たまたまSNS上で見かけて、とても共感した話があります。
今まで一つのことを続けられたことがないという主人公が、毎日腹筋100回、勉強2時間、ブログ2000文字書くと決意して、3日後にはすでに続かなくなった時の言い訳が「モチベーションが上がったらまたやる」とのことでした。
それに対して友人は、「そんなことでは一生何も続けられない」「モチベーションに頼った時点でアウト」と指摘します。
モチベーションとは「その日の気持ち」のことであり、毎日筋トレや勉強がしたいという気持ちが保てる訳がなく、何かを続けるには「モチベーション」に頼ってはいけないといいます。
何かを続けるために必要なのは、自分が「行動したい」という意思であり、その意思は誰でも弱いものなので、そのための方法があるとして言ったことは、「小さすぎて失敗しようがない行動から始めること」でした。腹筋は1日1回、勉強は1分、ブログは1行でいいといいます。
半信半疑の主人公も、やってみるとその程度なら続けられ、続けることで何となく自信もついてきます。腹筋1回だけといっても、ついでに20回くらいはやってしまったりします。
1日1回でも、続けられると人間は自信を持て、反対に1日100回が続けられないと自信を失うそうです。
そうやって2か月続けられれば、今度はその行動が習慣になり、逆にやらないと気持ちが悪いと感じるようになるのです。歯磨きなどと同じことです。
私もこの話と同じく、「モチベーション」はその人の気分の問題であり、他人がどうこうするものではないと思っています。あくまでその人の気分なので、昨日は高まったモチベーションが、今日も周囲の環境はまったく同じだったとしても、昨日と同じように高まるとは限りません。
毎日同じことを続けるのは、飽きる、マンネリ、刺激がなくなったなど、「モチベーション」は逆に下がっていくことの方が多いでしょう。
行動することのベースに「モチベーション」を持ち出すのは、「気が向いたらやる」と言っているのと同じです。特に仕事はそれでは成り立ちません。
私は「モチベーション」というのは、あくまで自分でコントロールするものだと思っています。「自分の機嫌は自分で直せ」ということです。
そして、「失敗しようがない小さなことから始める」というのは、習慣化するにはとても良い方法だと思います。習慣にするための日数は、ある説では66日といったり、心理学では3か月といったりしますが、それくらいの期間続けられれば、間違いなく自分の習慣として日常生活に溶け込みます。
何かを継続するためには、「モチベーション」に頼ってはいけません。
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