2014年5月21日水曜日

「マイナスイメージ」をくつがえす難しさ


外食産業が人手不足で苦しんでいるという話を聞きます。
なかでも牛丼チェーンのすき家は、「ワンオペ」と言われる一人体制での店舗運営が、非常に激務であるとの話が様々なところで取り上げられ、とりわけ人集めに苦労していると聞きます。

真意は違っていたようですが、経営陣のちょっと不用意な発言もあり、かなりのマイナスイメージがついてしまったように思います。

対人関係にまつわることを初めとして、「第一印象が大事だ」とはよく言われます。私は仕事柄でいろいろな会社の採用面接に立ち会う機会がありますが、第一印象として相手に植えつけられるイメージというのは、やはり大切だと思います。

この「第一印象の大切さ」と合わせて思うのは、「マイナスイメージを払しょくする難しさ」です。その人が持たれているプラスイメージというのは、些細なミスや不信から、すぐに壊れてしまいますが、これに対してマイナスイメージというのは、どんなに努力をしても、一度ついてしまったものを取り除くことは至難の業です。

以前聞いたことがある話ですが、顧客から非常に信頼が厚かった営業マンが、懇意にしている顧客が相手だったために油断したのか、お酒の席でかなりの失礼と失態をしてしまったそうで、その結果、その顧客からの信用を全く失ってしまったそうです。酒席という本来の仕事の場ではないところでの話なので、少しかわいそうとは思いますが、顧客の信頼を失ってしまったのは残念ながら事実です。

その後、本人はかなりの努力をして、顧客の目にも見える結果を出し、とにかく信頼回復に努めたそうですが、結局元のような関係には戻らなかったそうです。

最近の外食産業の人手不足というのは、全部が全部ではないでしょうが、これまでの人使いの荒さという要因もあるように思います。不況の中でなかなか仕事が見つけづらい環境に甘んじて、コストダウンのしわ寄せを現場ばかりに課したり、過剰なノルマや不十分な長時間労働対策といったことなど、働いている人たちが疲弊していってしまった部分はあるのだと思います。
雇用環境の好転に伴って、当然ながらこういう仕事は避けられるようになってしまったのでしょう。

今になって人員数の増強や時給アップ、正社員化など、働く環境の改善に動き始めていますが、一度ついてしまったマイナスイメージを解消するのはかなり難しいことですし、そのためには相当の時間が必要なのではないかと思います。

どんな場面であっても、プラスイメージは簡単に壊れてしまいますし、逆にマイナスイメージを回復するのは簡単には行かない難しいことです。
信頼を得続けるには、どんな環境であっても、相手との力関係などで一方的な値踏みなどをせず、一貫した対応を続けることが大事なのだと改めて思います。


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