2014年5月16日金曜日

「英語が苦手」と「ITが苦手」の共通点


英語を公用語化したという企業の話題が、ある時期大きく取り上げられていました。先日読んだある記事でも、通訳を介したコンマ何秒の時間差でもコミュニケーションギャップになるとのことで、グローバルなビジネス環境の中では、英語を「語学」という捉え方でなく、「コミュニケーションツール」として取り組むことが必須であるという話が出ていました。



私自身は英語を話せませんし、しいて言えばほんの片言か、それ以下のレベルです。ただ、これまでのビジネス上ではほぼ必要がなかったし、自分自身の興味もなかったので、勉強しようとも思わなかったというところが本音です。世間が狭い、時代遅れと言われるかもしれませんが、使う機会がほぼなかったことは事実です。

ですから「英語が苦手」というよりも、好きとか嫌いとかいう、その前提すらなかったといった方が正しいです。



そんな私ですから、「英語は必須」という話は、まぁその通りだろうとは思うものの、自分の周りを見ている限りでは、業種や職種、その人が置かれている環境によって、英語の必要性は大きく違っているのではないかと思っています。



英語の場合と同じく、コミュニケーションツールの位置づけの一つとして、ITの存在があります。やはり英語と同じように、ITは苦手」という人の話を聞きます。



ITに関しては、私自身はエンジニアの経験もありますし、一般企業のシステム担当者レベルのことはおおむね自分で解決できるので、「ITが苦手」という人の気持ちはあまり理解できません。ただ、英語でもITでも、苦手と言っている次元は共通していて、「自分ではやる気がない」「やらずに済む環境である」ということなのだと思います。



これは私の偏見もありますが、英語とITを比べた場合、国内で仕事をする限りにおいては、ITの方が関わらなければならない人の範囲が広いのではないかと思います。また、英語よりもITの方が少ない時間で習得できるのではないかとも思います。



最近でこそ、「メールを全部紙に打ち出してくれ」などという依頼をする上司の話はあまり聞かなくなりましたが、それでも似たようなレベルの話はまだまだ耳にします。

「ワードはできるけどエクセルは使えない」などアプリ操作のレベルで、できるとかできないとかいう話もよくあります。



年齢構成が比較的高い団体などでは、行事の出欠確認には今でもFAXや往復はがきが使われます。メールが普及したとはいえ、それに対応できない人がまだまだいるのだと思います。



こんな様子を見ていると、私は英語力よりもITリテラシーの不足の方が、特にビジネスコミュニケーション上のロスはよほど大きいように感じます。非効率を発生させる影響範囲が広いのではないかと思います。



私たちのようなコンサルタントの中にも、いまだに手書きの資料を顧客に出すような方がいらっしゃいます。お持ちのノウハウは尊敬しますし、顧客からITが苦手」と理解されているならそれで良いのかもしれませんが、現状でごく普通に行われているお客様とのコミュニケーションの取り方としては、さすがにもうダメだろうと私は思います。



お客様に対して、新しいノウハウや情報を提供しなければならない立場にあるのがコンサルタントの、はずですが、自分自身がそれを避けようとする姿勢は問題ですし、例えばお客様が望んでいる形式の資料をITが苦手」という理由で作れないなどとなれば、それはコンサルタントとしては失格だと思います。



ITリテラシーに関して、どこが最低限かというレベルの捉え方はいろいろだと思います。それでも「アプリを使う」という程度のレベルのことは、一通りはできなければならないのではないかと思います。



「英語が苦手」という以上に、ITが苦手」は、もう通用しないのではないかと思っています。


0 件のコメント:

コメントを投稿