2014年8月22日金曜日

「内集団バイアス」が強まっているように感じる怖さ


社会心理学では、自分が帰属している集団には好意的な態度をとり、外の集団には差別的な態度をとる心理現象のことを「内集団バイアス」(または「内集団びいき」)と言うそうです。

「内集団」とは、その人が所属していて、自分がメンバーであると認知している集団のことで、学生なら学校やクラス、サラリーマンなら会社やその部署などになります。これに対して、自分が帰属していない集団や結びつきが弱い集団、対立している集団は「外集団」と言います。
人間には自分が所属する集団を評価したいという欲望があり、そのため「内集団」の評価はより高く、「外集団」をより低く評価したいというバイアスがあるのだそうです。

例えば、以下のようなことは、内集団バイアスが関わっている思想なのだそうです。
・喫煙者は非喫煙者に比べて、自己管理能力が低い。
・女性は男性に比べて、論理的に考えるのが苦手。
・女性は管理職に向かない。
・○○民族は××民族より優れている。
・○○人は××人により優れている。
など。

これらは人間の深層心理に由来することなので、なかなか避けられないことなのかもしれませんが、最近特に感じるのは、政治でも国際情勢でも社会の動きでも、この傾向が強まっているのではないかということです。
自分の身内は大事にするけれど、知らない人は完全に無視していたり、何かあれば徹底的にたたいたりということです。
例えば電車内の化粧や飲食も、「知り合いに見られなければよい」との心理があると言われるので、ここに共通する部分がある気がします。

これらは結局、自己防衛的な心理であり、これを進めて「内集団」の結束が高まるほど、「外集団」には攻撃的になる感じがします。様々な差別行為も、出発点はこんなところにあるでしょう。

会社の中でも、俗にいうセクショナリズムや他責といわれる問題があります。マネージャーによっては、自分の部署の結束を高めるため、他部門より優れている意識をメンバーに植え付けたり、他部門を攻撃して優位に立とうとしたりする人がいます。

これは自部門にとっては都合が良いかもしれませんが、組織の全体最適を考えると決して良いことではありません。また、私がいろいろな会社を見てきた中では、こういう手法で組織をまとめようとすると、ある一時期は良くても、その後のあるちょっとしたきっかけで組織がバラバラになってしまうことがあります。差別のような負のパワーで結束を保とうとしても、決して長続きはしません。

にもかかわらず、最近は自分と他人、敵と味方のように、人を「内集団」と「外集団」に切り分け、そこに生まれる優性意識を、集団や組織の結束につなげようとするやり方が目立っているように感じます。

繰り返しますが、「内集団バイアス」は全体最適にはつながらないと思います。最近の様々な社会の動きにはちょっと怖さを感じます。


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