2016年6月20日月曜日

敬語は年長者の方ができてない?



「最近の若いやつは敬語がなっていない!」とは、いつの時代も言われることのように思います。
また、企業の新人研修などをしていると、「敬語が苦手」「きちんと使えるように練習しないと」という新入社員が多いので、「若者は敬語ができない」というのは、ある一面では合っているのだろうと思います。
しかし、私自身はどちらかと言えば逆の印象を持っています。実は敬語ができていないことが多いのは、年長者の方ではないかということです。

最近参加したある会合でのことですが、私より確実の年上であろうと思われる初対面の男性は、私と会話している間ずっと、俗にいう「タメ口」で話していました。相手の人も、たぶん私の方が自分よりも年下と見たからだと思います。

ときどき上から目線のお説教が出ること以外は、それほど気にはなりませんでしたが、初対面の相手への礼儀ということで言えば、お互いの年齢差が何歳であろうと、初めは敬語で会話することが本来でしょう。
ただ、これをきっかけに付き合いが深まっていったとすれば、いつまでも敬語ばかりで会話するのは他人行儀な感じになりますから、その必要はどこかでなくなると思います。

これは私の以前の経験からですが、毎年の新入社員と“いつのタイミングから敬語モードでなくすか”、というテーマがありました。
説明会でも面接でも途中の事務連絡でも、新卒採用の応募者は社外からのお客様なので、基本は敬語で対応しますが、入社が決まってからもずっとそのままでは、やはり心理的な距離が近くならないので、どこかで切り替えなければなりません。
その頃の私は、「内定式を迎えて、晴れて会社の仲間になることが決まったタイミング」から徐々に切り替えていましたが、果たしてそれが正解かは何とも言えません。

このように、敬語というのは、形式や使い方だけでなく、相手との距離感なども考えなければならないので、その使い方はいつまでたってもやっぱり難しいです。

私が最近特に気になるのは、飲食店やその他の店舗の店員に対する年長者の言葉遣いや態度です。若者の場合は大半が敬語で話しているのに対し、年長者の場合、「友達口調」程度はまだましで、直接関係がない立場で聞いていてもちょっと耳障りに感じるような、それ以下の「タメ口」や「命令口調」も多いです。

そうなってしまう理由は、私は意外に単純なことだと思っていて、それは「年とともに敬語を使う機会がなくなっていくから」だと思います。
年齢を重ねれば自分よりも先輩は少なくなっていきますし、会社やその他の組織の中で立場が上になっていけば、敬語で話す相手は少なくなっていくでしょう。そういう環境の中での日常会話の調子が、他の場面でもそのまま反映されてしまうのだと思います。

敬語については、実は年長者ほど意識をして、気をつけなければならないことではないかと思います。敬語に無頓着な年長者は、若者がそうだった場合以上に傲慢で不遜に見えます。それでは他人の敬語をどうこう言う資格はありません。

かくいう私も、ついつい敬語がルーズになりがちな年齢になってきています。気をつけなければと思います。


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