2016年6月27日月曜日

私も見たことがある「態度の悪い面接官」を直すには



あるウェブのコラム記事に「礼儀知らず、常識はずれの面接官の話」が出ていました。
就活生が経験したという話からで、企業の面接官の印象にネガティブなものがたくさんあり、むしろ社会人の方が、社会常識の無さや礼儀知らずなのではないかと指摘されています。そんな例が増えてきているのだそうです。

例えば、
・見下した態度や差別発言をする社長、役員面接
・目も合せず、無愛想無表情で作業のような面接
・エントリーシートすら読んでいない面接
・肘をついたままの話す、スマホをいじっている、面接中に電話に出るなどの礼儀知らず
・居眠りをする面接官
・露骨な女性差別
などが挙げられていました。

これを見た皆さんはどう感じたでしょうか。
こんな行動は信じられないという人も、身に覚えがあるという人も、この程度のことは普通だという人もいろいろだと思いますが、企業の採用に関するアドバイスをする私から見れば、人を採用したいと考えている企業の態度としては、相当なNG行動だと思います。

ただ、こういう行動を実際に目にした経験は、それほど多くはありません。これは私が企業の人事担当であった頃も、コンサルタントの立場になってからも、一貫してそのあたりを厳しくチェックしていたということがあると思います。
態度や礼儀が危うい人と思われる人は、そもそも面接官にしませんし、社長や役員であっても、失礼な態度が見られれば、その都度指摘していました。

確かに社長や役員クラスには、礼儀や態度に関するようなレベルのことは言いづらいですし、指摘すれば不機嫌そうな態度になることはありますが、言わずに放置すれば人が採用できなくなって、それは会社としての成果に関わります。
言えばそれなりに改善されますので、成果を得るためにそうしていたということです。

実際に見た経験はそれほど多くないとは言っても、やはりそれなりに目にしたことはあります。
まず多かったのは、「社長、役員、部長クラス以上の上から目線の態度や言動」です。
特に相手が就活生となると、社内で上席の者は、ついつい親近感を通り越したタメ口になっていたり、おかしな説教モードになったりします。
若者に対して一家言あるような人ほどそうなりがちで、本人は良いアドバイスをしているくらいに思っていることも多いので注意が必要です。

もう一つは、「本人が無意識のうちの失礼な態度」です。
これはあまり年令を問わずにあることですが、面接中に電話に出たり、椅子に浅く腰かけてふんぞり返ったような態度で話を聞いていたりします。ただ、本人には全く悪気がないところが問題です。たぶん日常的な会議や顧客打ち合わせでも、同じように振る舞っているのでしょう。しつけの問題に近いのだと思います。

それぞれ指摘をすると、前者の場合は謝りはするものの不機嫌になり、後者では驚いた表情で「初めて言われた」などとなりますが、どちらもその後は改善されます。

「態度の悪い面接官」というような話が増えているということは、結局は企業内のチェック機能が失われているということです。上席者ほど当事者に近い場合が多いので、よけいにそうなってしまうのでしょう。

就活生からこんな指摘を受けてしまうということは、社会人の先輩としてはやはりはずかしいことです。礼儀や態度というのは、自分で気づいて直すのはなかなか難しいことなので、気づいた誰かが伝えるしか、直す方法はありません。
指摘しづらいことですが、人事を担当しているならば、こういうことでも当事者にしっかり伝える責任があると思います。


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