2016年6月3日金曜日

「働きづらい上司の特徴」は上司の立場で自覚できているものか?




「働きづらい上司の特徴ランキング」という記事を目にしました。転職口コミサイトの「転職会議」が調査した結果です。

挙げられていたトップ5は、上位から順に
1位「頭ごなしに決めつける上司」
2位「権力に物言わすパワハラ上司」
3位「無責任な丸投げ上司」
4位「口だけで働かない上司」
5位「じめじめ陰湿な上司」
となっています。

どれを見ても、これが自分の上司だったとして、一緒に仕事をしたくないと思うのは、一目瞭然でわかるようなものばかりです。しかし、こんなランキングが出てくるということは、こういう上司が実際に多数存在するということでしょう。

もしもそうだとすれば、このように誰が見てもわかりやすい項目が挙げられていることからも、部下から「働きづらい上司」と見られている張本人は、ほとんどの場合はそういう自覚がないのではないかと思います。たぶん、違う解釈で自己評価しているのではないでしょうか。

このトップ5を、自分勝手な自己評価も含めて、善意に解釈したらどうなるかを考えてみました。
まず、「頭ごなしに決めつける上司」への不満として、「若手が悪いと決めつけて話すら聞かない」「仕事の進め方を決めつけて同じようにやらせようとする」などとありましたが、見方によっては「自分の経験に基づいて確率が高い方法を指導している」とも言えます。

「権力に物言わすパワハラ上司」「リーダーシップが強い」と思っているかもしれませんし、「無責任な丸投げ上司」や「口だけで働かない上司」は、「部下に責任を持たせて任せている」なのかもしれません。「じめじめ陰湿な上司」は、「緻密に細かく指示している」というつもりでいるのかもしれません。

まさに「物は言いよう」といった印象ですが、このように、見方によって同じことでも捉え方が違うということは、どこにでもあることです。人の性格でも「視野が狭い」が「集中力がある」だったり、「長続きしない」が「臨機応変」だったりします。長所と短所というのは裏表です。

ただ、この「働きづらい上司」の問題は、上司が見ている反対側にある部下からの見方が、当事者である上司本人には伝わりづらいということです。部下から上司に改善を求めたり、ダメ出しに近い話をしたりするのは、それなりにハードルが高いことです。伝えることで上司から不利な扱いを受けない保証もなく、それなら我慢しようということになりがちでしょう。

やはり上司の側ほど、独りよがりにならないように注意しなければなりません。捉え方がずれているならば、それは修正しなければなりませんし、歩み寄ることが必要な場合もあります。すべてはコミュニケーションによるところで、部下から言い出しづらいということでは、上司の側から積極的に発信する必要があります。

自分のやり方を貫き、部下に厳しく接することも必要かもしれませんが、その結果「働きづらい上司」と思われてしまっては、業績が上がることも、生産性が上がることもありません。
「働きづらい上司」には、仕事上のプラスは何もないということを自覚しておくべきだと思います。
 

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