2017年2月20日月曜日

チームマネジメントでの「一体感」と「競争」の両立という話



もうすぐサッカーのJリーグが開幕しますが、その特集のテレビ番組の中で、チーム内の「一体感」と「競争」を両立させなければならないが、そのバランスがとても難しく、強いチームは良いバランスを見つけることができているという話をしていました。

チームとしての勝利、成果を上げるためには「チームの一体感」が必要だが、選手個々のポジション争いという「競争」もまたチーム力の強化や活性化のためには必要で、チームマネジメントをしていく上で、そのバランスをどのように取っていくかが重要とのことでした。

「一体感」と「競争」というのは、基本的にはそれぞれ反対を向いていて、両立させるというのは、矛盾することを両方実現しなければならないということですから、その難しさというのは十分に理解ができます。
これが同じように会社という組織、チームでも当てはまることなのか、私なりに少し考えてみました。

まず「競争」という部分では、プロスポーツの世界と企業では、かなり違いがあると思います。
スポーツでは、競争に勝ってポジションを取らなければ、試合に出ることができません。チームに貢献するとか、自分の能力を見せること以前に、その機会すら与えられないということになります。仕事をする場自体が制限されるということです。
さらに、試合に出られる人数は、交代要員も含めて決まっていますから、競争に勝って自分の序列を上げなければ、仕事をするチャンスは得られません。

これに対して企業の場合は、仕事をする機会は競争する以前にすべての人に与えられます。役割の違いはあっても、全員にレギュラーポジションはあるということです。さらに人数やポジションに制限はありません。自分なりの役割を見つければ、新たなポジションが増えることもあるでしょう。
出世競争や、ボーナスの金額のような競争はありますが、その結果がどうであっても何らかの仕事は与えられ、仕事をする(イコール試合に出る)機会は得ることができます。

こう考えると、プロスポーツでは「一体感」と「競争」のバランスが難しいですが、企業の場合、「競争」の比率というのは実はかなり低く、その分「一体感」の比率が高くなるだろうということがわかります。

一般的な企業でも、特に営業主体のような会社では、個々の社員を競争させるようなマネジメントの手法がよく見られます。それは一つのやり方ではありますが、「競争」をあおれば、その反面のバランスで「一体感」は必ず薄れます。それが果たして成果につながっているのかということです。

最近は、特に若手社員を中心に、あまり競争を好まず、周りとの協調に気を遣うような傾向が増しています。他人との競争よりは、仕事自体の面白さや社会的意義、周囲との人間関係の良さといった、内発的、主観的な要素に価値を見出します。
さらに、プロスポーツの世界と違って、企業では競争することをやめても、チームに参加することはできます。出世の機会は減り、給料は上がらないかもしれませんが、それを追いかけることが必須ではありません。また、競争心のある人ほど会社に貢献しているのかといえば、一概にそうではありません。

企業におけるチームマネジメントでは、「競争」をあおることよりも、「一体感」を醸成することに注目した方が、より効果的にチーム力を上げることができるという気がします。


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