2018年2月19日月曜日

「自分の都合」ばかりの人に足りないもの



最近、別々の人から続けて「自分の都合ばかり」と思ってしまうことに遭遇しました。どちらも仕事の話ではありません。

一つは「ある作業をやってほしい」という話でしたが、別に私がやる必要はなく、私にとってプラスになることは何もありません。しいて言えば、この依頼をしてきた相手の機嫌が良くなる程度のことです。
もう一つは、「いつまでに品物を送ってほしい」という期限に関する話でしたが、その品物はまだ私が使っているもので、相手に急いで渡すメリットはありません。

「それくらいやってあげればよい」「心が狭い」と言われるかもしれませんが、どちらの人ともいつもこの調子で、他人に何かしてもらうのは当たり前だという態度で接してきます。自分が何かを返そうという気持ちはなく、たいして感謝されないことがわかっているので、あまり相手にしたくありません。

これが仕事であれば、条件の問題はあったとしても、必ず報酬があり、100%のWin-Loseの関係に陥ることは、ほとんどないと思います。
それでもお互いの力関係が違い過ぎると、一方的なサービス、ディスカウント、その他無理な要求をされることはあります。また、そういう要求をしてくる人は、だいたいいつも同じだったりします。

こういう人たちのことを、よく「相手目線が足りない」といいます。確かにその通りで、相手の立場を考えること、相手の気持ちになることは大事なことです。
ただ、もしかしたらニュアンスは似ているのかもしれませんが、私はこういう人たちを「想像力が足りない」と思っています。

「相手目線」というのは、一般的には相手の立場と自分の立場を置き換えて考えますが、感じ方や判断基準には個人差があり、そこが違っていると、必ずしも相手の気持ちが理解できるわけではないということになります。

これに対して「想像力」は、置き換えるというよりは、相手の立場や気持ちを想像するということになります。自分は違うけど、相手はこう思うのではないか、こう感じるのではないかということに思いを巡らせることができます。

「自分の都合」をしっかり主張することは必要です。しかし、そこに相手に対する「想像力」が働いていなければ、強引に抑え込みでもしない限り、その主張が受け入れられることはありません。
さらにこれを同じ部門やチーム内でおこなわれると、メンバー同士の関係は悪化し、チーム力は大幅にダウンします。

相手に対する「想像力」が欠けていると、駆け引きも協調もうまくできませんから、ビジネスは成功せず、人間関係でも信頼を得られず、結局損をするのは自分です。
相手を尊重する、気遣うといったきれいごとばかりでなく、自分のためにも相手に対する「想像力」を働かせる必要があります。


2 件のコメント:

  1. 小笠原さん、まったく同感です。自分も反省する点がありそうです。しかし自分の経験からも最近はこの種の方が多い気がします。特に高齢者に多いようです。国や自治体への過度な要求なども…。自分がそうならぬようにいろいろな観点からきをつけねば…。

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    1. コメントありがとうございます。こういうことを思いながら、私自身も本当に注意しなければいけないなと思っています。

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