2019年11月7日木曜日

社内だけでは「決められない」「動けない」


人事、組織に関する課題が何もないという会社は、たぶんほとんど存在せず、ほぼすべての会社で何らかの取り組みがおこなわれています。
私はその取り組みをお手伝いする仕事ですが、今までがまったくのピント外れだったり、まったくの無知だったり、見た瞬間におかしいと感じるような会社には出会ったことがありません。

もちろん知識不足や多少のずれはあったとしても、自分たちなりによく考え、より良くしようと思って取り組んでいて、それなりの裏付けもあります。ですから、私たちコンサルタントが100%のダメ出しをする必要もなく、多くの場合は、ほんの少しの考え方の修正だったり、ちょっとした取り組みプロセスの見直しだったりということになります。

ただ、この「ほんの少し」「ちょっと」という部分が、実は自分たちだけでは意外に気づけません。「制度がうまくいかない」といって一生懸命再検討していたものを、そこは変えずに「基本理念の周知、徹底」に取り組んだら、問題解決してしまったなどという例は、本当に数多くあります。
私たちのような社外人材からの視点を伝えることで、自ら気づくことができます。

これと似た状況で、「社内だけでは決められない、動けない」ということがあります。
「決められない」の場合は、解決案が根拠に乏しくて納得が得られないとか、事務局の調整能力が足りないといったことが見られ、「動けない」という場合は、とりあえず決めたものの、決定プロセスで声の大きい者に流されていたり、経営者や上位のマネージャーなど、権威者の誰かが強引に決めていたりしたために、その後想定した動きにならなくなっています。
この状況を例えるなら、レフェリーなしで戦っている格闘技のようなもので、社内の力関係などで若干理不尽に物事が決められ、それではみんな納得せず、そのことに対する動きは、当然ですが鈍くなります。

こちらも、外部の人間がレフェリーのような立場で客観性をもって手順を踏んでいくことで、「決められない」「動けない」という状況から脱することができた例がたくさんあります。
制度自体や運用方法を見直すことはもちろんありますが、第三者が入って検討プロセスを再度なぞっただけで、仕組み自体はほぼそのままなのに、関係者の理解と納得が進んで、問題が解決したこともあります。

どんなにプロフェッショナルなアスリートでも、必ず伴走してくれるコーチをつけますが、それは自分だけでは客観視ができずに気づけないことや、うまく対応できないことがあるからです。
企業でも同じで、社内の視点だけでは「決められない」「動けない」というように、うまく処理できないことがあります。こういう時にはやはり、第三者の客観的な視点や知見、手助けがあると、解決がスムーズに進みます。
それは、私たちのようなコンサルタントだけでなく、社外の知人や社外取締役、他社事情を知る中途採用の社員、懇意にしている取引先、その他社外のブレーンなど、第三者視点を持った関係者は会社の周りに大勢います。

社内だけでは「決められない」「動けない」ということは当然起こることです。そんなときに知見を得られる社外人材は、絶対に必要な存在だと思います。


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