社内のモチベーションアップのための取り組みは、いろいろな企業で実施されています。
環境作り、雰囲気作り、社風改善、コミュニケーションの取り方、期待の伝え方、指導のしかたなど、様々な側面から取り組みがされますが、その効果についてはなかなか評価がしづらいところがあります。
人のやる気を生み出す方法、モチベーションアップの手法などについて、その効果が認められるものは確実にありますし、逆に相手のやる気を失わせてしまう行為、行動も確実にあります。
ただ、すべての人がそれらを同じように捉え、同じように効果がある訳ではありません。そこが難しいところではないかと思います。
モチベーションアップのために取り組みが、少なくともマイナスになることは無いであろうという考えで、働きかけを続けているというような側面もあるでしょう。
「やる気」「モチベーション」といったものは、最終的には本人がどう考えるのか、その捉え方次第でということであり、周りからは、そのきっかけになるような働きかけを続けることしかできません。
最終的に「やる気」を出すかどうかを決めるのは、私は本人しかいないと思っています。
これは、今までいくつもの会社で見かけてきたことですが、「会社が○○だから」「上司が○○だから」「仕事内容が○○だから」など、自分の周りで起こっていることを理由にして、「だからやる気が出ない」という人がいます。
ここで指摘していること自体は、確かに事実という部分もあり、きちんと受け止めて対応しなければならないことではありますが、この「だからやる気が出ない」という人に限って、本当にやる気を出している姿を周りから目にしたことが、ほとんどの場合でありません。
仕事環境にいろいろ理由をつけるだけでなく、「この程度の給料ではやる気がしない」とか、「もっとお金をくれるならばやっても良い」などという人もいます。しかし、こういう人の給料を本当にアップしたとしても、その仕事のしかたはほぼ確実に変わりません。相変わらず「やる気が出ない」と言い続けます。
このように、自分の「モチベーション」「やる気」を周りのせいにする人は、「やる気が出ないから“やらない”」のではなく、「やる気があっても“できない”」ということが圧倒的に多いです。少なくとも私が見てきた範囲では、すべての場合がそうでした。
これは「モチベーション」「やる気」の不足ということではなく、本人の「能力不足」ということであり、そういう人にモチベーションアップの働きかけをしても、絶対に実になることはありません。
仮に本人が「やる気」を出したとして、それでも仕事はできない訳ですから、自分の能力不足が明らかになってしまいます。そんな自分にとってマイナスになることなどするはずがなく、その人はこれからも「やる気が出ないからやらない」と言い続けるでしょう。
モチベーションアップの取り組みの難しさは、こんなところにもあります。「やる気が出ない」と言っておいた方が、自分にとって都合が良いというような人も存在するということです。
会社としてモチベーションアップの取り組みを行う上では、社員個人のレベルで、周囲の環境がどうなのか、原因がどこにあるのかという見極めが、まずます重要になってきます。
「人の教育する」「人を変える」ということは、そんなに簡単なことではありません。
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