2017年12月4日月曜日

「将来残らない仕事」を気にしても仕方がない



銀行店舗の平日休みを可能にする検討がされているとの報道を見ました。
銀行の休業日というのは、土曜や日曜、祝日、年末年始などと定められていて、その理由は銀行が自由に休みを取ってしまうと、預金引き出しや企業間決済などに不都合が生じるためとのことですが、近年ではネットバンキングでの振込などが可能になり、店舗への来客数は大きく減っているということから、経費削減策の一環として検討されているようです。

フィンテックの進歩など今後のことを考えると、いずれは銀行の店舗自体がいらなくなり、そこで働く人もいなくなってしまうのかもしれません。ただ実際にどうなるのかは、まだまだわかりません。

最近、将来残る仕事と残らない仕事を予測した記事や書籍が出たり、それに対する心配や安堵のコメントが出ていたり、何かといろいろ話題になっています。
あるところの記事で、無くなる仕事の中に「公認会計士」の仕事が挙げられていましたが、先日お会いした会計士の先生は、今後AIなどにとって代わられるといわれるような、単なる会計事務ではない仕事を中心にするようにと、今からいろいろ模索をしていました。
こういうことを言い出すと、私のコンサルタントという仕事も、いつ何がどうなるかはわかりません。そう考えると不安と言えば不安ですが、先のことはわかりませんし、何をすれば正解なのかもよくわかりません。

最近定年を迎えたある先輩は、自分が今までしてきた仕事は、AIによって将来なくなるといわれていたから、自分は今のうちに逃げ切れて良かったなどと言っていました。でも本当にそうなるのか、これも実際のところはわかりません。

確かになくなる仕事はあるでしょうし、特に自分のやっている仕事がなくなると名指しされた人は、不安な気持ちになるでしょう。その不安を述べる人が増えた気がしますし、「自分はまだ平気」とか「準備しないとまずい」とか、そんな話題も多くなった感じがします。

ただ、ここで私が思うのは、先のことをいろいろ予測はしても、何が残って何かなくなるかなど、実際にどうなるかは結局のところ誰もわからないということです。
さらに、身近で小さなレベルでは、自分が担当してきた仕事がなくなってしまったという経験は、すでに多くの人がしているはずです。仕事のやり方が変わって、今までやっていたことが不要になるというようなことは、ごく普通にあったと思います。

例えば、何らかの社内外の手続き的なことや、事務処理としておこなってきたようなことであれば、かなり多くの変化があったでしょう。ではその時にどうしたかと言えば、仕事がなくなって不安などと言うことは一切なく、それで空いた時間にもっと生産性が上がりそうな違う仕事をするようになったと思います。
またそういう変化というのは、ある日突然に起こるわけではありません。予告や予兆があって、準備する期間があって、時間をかけて徐々に変わっていくものです。

何が言いたいかというと、結局人間というのはその時その時の環境に合わせて、それなりに順応していくもので、あまり不安を言っても仕方がないということです。
もちろんこれは、それまでの経験や担当してきた仕事内容によって、多少の有利不利、順応しやすいものとしにくいものの差はあります。得手不得手など対応力の個人差もあるでしょう。
しかし、過去を振り返ってみたとき、例えばITが苦手といっていた人でも、今ならメールくらいは普通に使っています。中にはそれすらダメな人もいるかもしれませんが、そうであれば、誰か代わりにやってくれる人を見つけるなどの代替手段を考えています。
そんなことをしているうちに、何かもっとわかりやすい、使いやすいツールなどが出てきて、それまでの不自由が解消されたりします。どうにかなっていますし、人間というのはもっと積極的に、自分でどうにかしています。

将来なくなる仕事も残る仕事も、事前にできる準備はするとして、それ以上はその時になってみなければわかりません。そもそも物事が移り変わるということは、今までよりも良い方法が見つかって、それが実際に使えるようになったということであり、非効率、不自由な方向に変わることは基本的にはありません。もしあったとしても、それはある局面に限られた一時的なものです。

自分の今の仕事が将来残る、残らないというような話は、あまり不安に思っても仕方がありません。きっとなるようになると思います。

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